最新記事

感染症

ジカ熱、米ダラスで人から人への感染例を確認、経路は性的接触か

WHOが感染経路などを確認しているものの、感染症の流行は次のステージへ突入したのか

2016年2月3日(水)10時37分

2月2日、米テキサス州ダラス郡で、ジカ熱が人から人に感染した事例が報告された。写真はジカウイルス。提供写真(2016年 ロイター/CDC/Cynthia Goldsmith/Handout via Reuters)

 米テキサス州ダラス郡で2日、ジカ熱が人から人に感染した事例が報告された。ダラス郡の衛生当局者は、感染は蚊に刺されたためではなく、性的な接触が原因の可能性がある、との見方を示している。

 ジカ熱をめぐっては、世界保健機関(WHO)が前日、緊急事態を宣言している。

 ジカ熱は中南米で急速に広がっており、WHOは、アフリカやアジアにも感染が拡大する可能性を懸念。ジカ熱は蚊が媒介するとされているが、性感染が確認されれば、問題が一段と深刻化することは必至だ。

 ダラス郡の衛生当局者によると、ベネズエラに渡航した人との性的交渉を通じて感染。感染者は、ベネズエラへの渡航歴はない、という。

 テキサス州衛生当局は、声明で「事例の詳細については現在調査中だ。ただ感染者から非感染者への性感染の可能性はある」としている。

 一方、米疾病管理センター(CDC)は、感染の事実自体は確認したが、感染経路についてはダラス郡当局が調査した結果だとしている。

 ジカ熱が人から人に性感染した可能性は、これまでに世界で1件報告されている。ただWHOの米地域事務局である汎米保健機構(PAHO)は、ジカ熱が性感染することを確認するには、一段の事例が必要、としている。また、ウイルスが精液から検出されたケースが1件ある。

  

[オースティン(米テキサス州) 2日 ロイター]


120x28 Reuters.gif

Copyright (C) 2016トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

英小売店頭価格、11月は0.6%下落 下げ止まりの

ワールド

米当局、ウエスタン・アセットの債券運用トップを詐欺

ビジネス

日産自、銀行・保険など長期株主を模索 ルノーに代わ

ビジネス

情報BOX:トランプ次期米大統領が表明した関税方針
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:老けない食べ方の科学
特集:老けない食べ方の科学
2024年12月 3日号(11/26発売)

脳と体の若さを保ち、健康寿命を延ばす──最新研究に学ぶ「最強の食事法」

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    寿命が5年延びる「運動量」に研究者が言及...40歳からでも間に合う【最新研究】
  • 2
    「1年後の体力がまったく変わる」日常生活を自然に筋トレに変える7つのヒント
  • 3
    「ダイエット成功」3つの戦略...「食事内容」ではなく「タイミング」である可能性【最新研究】
  • 4
    プーチンはもう2週間行方不明!? クレムリン公式「動…
  • 5
    「このまま全員死ぬんだ...」巨大な部品が外されたま…
  • 6
    テイラー・スウィフトの脚は、なぜあんなに光ってい…
  • 7
    寿命が延びる、3つのシンプルな習慣
  • 8
    「典型的なママ脳だね」 ズボンを穿き忘れたまま外出…
  • 9
    日本株は次の「起爆剤」8兆円の行方に関心...エヌビ…
  • 10
    バルト海の海底ケーブル切断は中国船の破壊工作か
  • 1
    寿命が延びる、3つのシンプルな習慣
  • 2
    「1年後の体力がまったく変わる」日常生活を自然に筋トレに変える7つのヒント
  • 3
    「会見拒否」で自滅する松本人志を吉本興業が「切り捨てる」しかない理由
  • 4
    日本人はホームレスをどう見ているのか? ルポに対す…
  • 5
    北朝鮮は、ロシアに派遣した兵士の「生還を望んでい…
  • 6
    Netflix「打ち切り病」の闇...効率が命、ファンの熱…
  • 7
    朝食で老化が早まる可能性...研究者が「超加工食品」…
  • 8
    「このまま全員死ぬんだ...」巨大な部品が外されたま…
  • 9
    「ダイエット成功」3つの戦略...「食事内容」ではな…
  • 10
    自分は「純粋な韓国人」と信じていた女性が、DNA検査…
  • 1
    朝食で老化が早まる可能性...研究者が「超加工食品」に警鐘【最新研究】
  • 2
    北朝鮮兵が「下品なビデオ」を見ている...ロシア軍参加で「ネットの自由」を得た兵士が見ていた動画とは?
  • 3
    寿命が延びる、3つのシンプルな習慣
  • 4
    「1年後の体力がまったく変わる」日常生活を自然に筋…
  • 5
    外来種の巨大ビルマニシキヘビが、シカを捕食...大き…
  • 6
    朝鮮戦争に従軍のアメリカ人が写した「75年前の韓国…
  • 7
    自分は「純粋な韓国人」と信じていた女性が、DNA検査…
  • 8
    北朝鮮兵が味方のロシア兵に発砲して2人死亡!? ウク…
  • 9
    「会見拒否」で自滅する松本人志を吉本興業が「切り…
  • 10
    足跡が見つかることさえ珍しい...「超希少」だが「大…
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中