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シリアISISによる自爆テロで60人超死亡、一方で和平協議も本格化
流血の惨事が続くシリア情勢だが、一方で反体制派の主要組織が和平協議に参加するなど希望の兆しも
1月31日、シリアの首都ダマスカス南部で、自爆攻撃などによる爆発が相次ぎ60人以上が死亡した。過激派組織「イスラム国」がイスラム教シーア派武装組織の重要拠点を狙ったとする犯行声明を出した。写真はアレッポで2013年9月撮影(2016年 ロイター/Muzaffar Salman)
シリアの首都ダマスカス南部で31日、自爆攻撃などによる爆発が相次ぎ60人以上が死亡した。過激派組織「イスラム国」がイスラム教シーア派武装組織の重要拠点を狙ったとする犯行声明を出した。
英国を拠点とするシリア人権監視団によると、死者のうちシーア派の民兵が25人に上るという。シリア内務省は、負傷者も100人を超えると発表していた。
一方、ジュネーブで行われているシリア和平協議は、反体制派の主要組織「高等交渉委員会(HNC)」が31日に初めて参加。仲介役を務める国連シリア問題担当のデミストゥラ特使と個別に会談した。
反体制派の政治団体や武装組織から成るHNCは先に、内戦による民間人への被害が減らない限り、和平交渉から離脱する可能性があると警告した。ただ、当初は協議前に空爆などの攻撃を停止していたことから、HNCが柔軟な対応を示しつつあるともみられている。
HNCのスポークスマンはデミストゥラ特使との会談について、人道問題に関しては非常に建設的で望みを与えるものだったと述べた。
また西側外交筋は、同特使が双方に提案を行ったと明かし、その内容は「非常に堅実なものだ」と評価した。