最新記事

2016米大統領選

米民主党予備選、第4戦はクリントンが圧勝し「ヤマ場」へ弾み

「壁を築く代わりに、壁を壊す必要がある」と述べ、トランプ氏の公約に反論

2016年2月29日(月)10時43分

2月27日、米大統領選に向けた民主党の候補指名争いで第4戦となる南部サウスカロライナ州予備選挙が行われ、クリントン前国務長官(写真)がサンダース上院議員に大差で勝利した。米ナッシュビルで28日撮影(2016年 ロイター/Jonathan Ernst)

 米大統領選に向けた民主党の候補指名争いで第4戦となる南部サウスカロライナ州予備選挙が27日行われ、クリントン前国務長官がサンダース上院議員に大差で勝利した。

 米国で女性初の大統領を目指すクリントン氏は、同州でアフリカ系米国人から幅広い支持を獲得し、全米11州の予備選が集中する3月1日のスーパーチューズデーを前に、民主党の最有力候補として指名獲得へ弾みをつけた。

 開票率が95%を超えた時点で、クリントン氏の得票率はサンダース氏を48%ポイント上回った。

 選挙戦のヤマ場となるスーパーチューズデーではアフリカ系米国人が多い南部6州の予備選も予定されており、これらの州の世論調査によると、クリントン氏がかなり優勢な状況だ。

 サウスカロライナ州予備選での勝利が確定した後、クリントン氏は支持者を前に演説。共和党の有力候補であるトランプ氏が掲げるスローガンに対抗し、「『米国を再び偉大にする』必要はない、米国は偉大であることを止めていない」と表明。「壁を築く代わりに、壁を壊す必要がある」と述べ、メキシコとの国境に壁を築くとのトランプ氏の公約に反論した。

 サウスカロライナ州予備選での勝利で、第4戦まで終えた時点でクリントン氏は3勝となった。

 ニューハンプシャー州でしか勝利していないサンダース氏が民主党の指名獲得に望みをつなげるには、今後数週間で行われる重要な州の予備選で大勝利を収める必要があり、白人リベラル層以外に支持基盤を広げられるかが鍵となる。

 同氏は27日夜に出した声明で、サウスカロライナ州での敗北を認めた上で、「選挙戦はまだ始まったばかりだ」とし、スーパーチューズデーに向けて支持を呼び掛けた。

   

[コロンビア(米サウスカロライナ州) 27日 ロイター]


120x28 Reuters.gif

Copyright (C) 2016トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

フィリピン、ドゥテルテ副大統領に召喚状 「殺し屋雇

ビジネス

ユーロ圏インフレ率、大幅な2%割れに警戒を=ポルト

ワールド

ロシア前大統領、「ウクライナへの核兵器移転議論」の

ビジネス

トランプ氏の政策、ユーロ圏インフレ率への影響限定的
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:老けない食べ方の科学
特集:老けない食べ方の科学
2024年12月 3日号(11/26発売)

脳と体の若さを保ち、健康寿命を延ばす──最新研究に学ぶ「最強の食事法」

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    寿命が5年延びる「運動量」に研究者が言及...40歳からでも間に合う【最新研究】
  • 2
    「1年後の体力がまったく変わる」日常生活を自然に筋トレに変える7つのヒント
  • 3
    「ダイエット成功」3つの戦略...「食事内容」ではなく「タイミング」である可能性【最新研究】
  • 4
    プーチンはもう2週間行方不明!? クレムリン公式「動…
  • 5
    「このまま全員死ぬんだ...」巨大な部品が外されたま…
  • 6
    テイラー・スウィフトの脚は、なぜあんなに光ってい…
  • 7
    寿命が延びる、3つのシンプルな習慣
  • 8
    早送りしても手がピクリとも動かない!? ── 新型ミサ…
  • 9
    バルト海の海底ケーブル切断は中国船の破壊工作か
  • 10
    日本株は次の「起爆剤」8兆円の行方に関心...エヌビ…
  • 1
    寿命が延びる、3つのシンプルな習慣
  • 2
    「1年後の体力がまったく変わる」日常生活を自然に筋トレに変える7つのヒント
  • 3
    「会見拒否」で自滅する松本人志を吉本興業が「切り捨てる」しかない理由
  • 4
    日本人はホームレスをどう見ているのか? ルポに対す…
  • 5
    北朝鮮は、ロシアに派遣した兵士の「生還を望んでい…
  • 6
    Netflix「打ち切り病」の闇...効率が命、ファンの熱…
  • 7
    朝食で老化が早まる可能性...研究者が「超加工食品」…
  • 8
    「このまま全員死ぬんだ...」巨大な部品が外されたま…
  • 9
    寿命が5年延びる「運動量」に研究者が言及...40歳か…
  • 10
    「ダイエット成功」3つの戦略...「食事内容」ではな…
  • 1
    朝食で老化が早まる可能性...研究者が「超加工食品」に警鐘【最新研究】
  • 2
    北朝鮮兵が「下品なビデオ」を見ている...ロシア軍参加で「ネットの自由」を得た兵士が見ていた動画とは?
  • 3
    寿命が延びる、3つのシンプルな習慣
  • 4
    「1年後の体力がまったく変わる」日常生活を自然に筋…
  • 5
    外来種の巨大ビルマニシキヘビが、シカを捕食...大き…
  • 6
    朝鮮戦争に従軍のアメリカ人が写した「75年前の韓国…
  • 7
    自分は「純粋な韓国人」と信じていた女性が、DNA検査…
  • 8
    北朝鮮兵が味方のロシア兵に発砲して2人死亡!? ウク…
  • 9
    「会見拒否」で自滅する松本人志を吉本興業が「切り…
  • 10
    足跡が見つかることさえ珍しい...「超希少」だが「大…
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中