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感染症ジカ熱が「爆発的に拡大」、最大400万人感染の恐れも
WHOが中南米で流行している感染症に対し「警戒レベルは非常に高い」と警告
1月28日、世界保健機関(WHO)は、中南米とカリブ諸国で猛威を振るっている感染症「ジカ熱」について、「爆発的に広がっている」とし、南米と北米で感染者が最大400万人に上る可能性があると指摘した。写真はジカ熱に関するポスター。グアテマラシティで撮影(2016年 ロイター/Josue Decavele)
世界保健機関(WHO)は28日、中南米とカリブ諸国で猛威を振るっている感染症「ジカ熱」について、「爆発的に広がっている」とし、南米と北米で感染者が最大400万人に上る可能性があると指摘した。
蚊が媒介するジカ熱は、先天的に頭部が小さい「小頭症」の新生児がブラジルで増加していることと関連があるとみられている。
WHOのチャン事務局長はスイスのジュネーブで開いた特別会合で、「警戒レベルは非常に高い」と指摘。「現時点では域内23カ国・地域で感染例が報告されている」と述べた。また、2月1日に緊急会合を開催し、対応策をまとめると明らかにした。
チャン氏は「われわれは(小頭症との)関連を示す科学的な証拠を待たない。直ちに行動に移す必要がある」と指摘。
WHOは昨年、西アフリカで猛威を振るったエボラ出血熱への対応が遅かったとして批判を受けていた。
WHOのブルース・エイルワード事務局長補は、ジカ熱と小頭症の関連を確認するには6─9カ月を要するとの見方を示した。安全で効果的なワクチンの開発には1年以上かかるだろうと述べた。
WHOの米国地域事務局である汎米保健機構(PAHO)の伝染病担当責任者、マルコス・エスピナル氏は、南米と北米の感染者が300万─400万人に上るとの予想を示した。
米疾病対策センター(CDC)のアン・シュシャット氏は、ジカ熱の流行地域に渡航した米国民31人の感染が確認されたとし、「米国内で限定的な流行が起きる可能性がある」と指摘した。
ブラジルでは今年8月にリオ五輪が予定されている。国際オリンピック委員会(IOC)のトーマス・バッハ会長は、IOCがジカ熱に関するガイドラインを週内に公表すると述べた。