忘れられたクリミア半島で迫害され、抵抗するタタール人
ロシアがウクライナから併合した半島で、道路や送電施設に静かな妨害工作を続ける先住民族の望みは
テロリストにあらず 送電施設の修理にきたウクライナ軍兵士らを押し留める覆面の活動家たち(11月21日) ATR via Reuters TV-REUTERS
ウクライナ南部のクリミア半島では11月下旬から停電が続いており、ウクライナ本土と半島とをつなぐ道路ではタタール人の活動家らがバリケードを築いている。その活動家の1人がこう息巻く。「次は海だ」
タタール人はクリミア半島の先住少数民族だが、半島は2014年3月、ロシアに一方的に併合された。イスラム教徒のタタール人はただでさえ差別されているのに、ロシアが来て以来ますます抑圧がひどくなったと、抵抗を続けてきた。道路の封鎖は9月から続けている。
活動家のリーダー格の1人、レヌール・イスリヤモフによれば、彼らは近いうちにクリミアの海上ルートの妨害工作に着手するという。
彼はロシアの野党勢力オープン・ロシアに語った。「最初は物流を止めた。次はエネルギーを止めた」
イスリヤモフの言う「エネルギー停止」とは、クリミア半島の停電を指す。先月下旬、ウクライナ領内の送電施設が何者かに爆破され、半島のほぼ全域への電力供給が止まったままになっている。タタール人活動家らは現場付近にピケを張り、その修復を妨害しているのだ。