トルコ総選挙、与党単独で過半数獲得へ
エルドアン体制継続で権力基盤が強化される一方、社会的な分裂が一層進む可能性も
11月1日、トルコ総選挙は投開票され、与党・公正発展党(AKP)が過半数の議席を獲得し、圧勝する見通しとなった。写真はAKP党首のダウトオール首相(2015年 ロイター/Umit Bektas)
1日投開票のトルコ国会(一院制、定数550)総選挙は、与党・公正発展党(AKP)が過半数の議席を獲得し、圧勝する見通しとなった。エルドアン大統領の権力基盤が強化される一方、社会的な分裂が一層進む可能性もありそうだ。
国営テレビTRTによると、開票率97.5%の時点で、AKPの得票率が49.4%となった。定数550議席のうち、単独で過半数を占める見通し。得票率はAKP内で想定されていた数値を大幅に上回った。
AKP党首のダウトオール首相は支持者に向けて勝利宣言し、「きょうはわれわれの民主主義と国民にとって勝利の日だ。願わくば、次の4年間あなたがたに十分奉仕し、2019年にあなたがたの前に再び立ちたい」と述べた。
また各政党に対し、新憲法に向けた協力を呼び掛けた。
エルドアン大統領は、選挙結果には安定を望む有権者の声が反映されたとし、クルド反政府派に対し民主主義と暴力は共存しないというメッセージを送ったと述べた。
シムシェク財務相は今回の選挙結果を受け、改革機運が盛り上がると指摘。「政治的な不透明感が後退し、トルコは改革を実行する大きな機会を得た」とロイターに語った。
トルコ選挙管理委員会のサディ・ギュヴェン委員長は会見で、最終的な開票結果は11─12日以内に公表すると明らかにした。この間に各党からの異議について検討することになる。
最大野党・共和人民党(CHP)の得票率は25.4%にとどまり、党幹部は結果を「惨事」と指摘。連立政権でエルドアン大統領をけん制できると踏んでいた望みがほぼついえたとした。