最新記事

ISIS

フランスとロシアがISIS空爆強化へ連携、EUにも協力要請

対ISIS同盟軍として海軍と空軍の合同作戦を展開

2015年11月18日(水)11時19分

昨日の敵は今日の友  11月17日、フランスとロシアは、シリアにある過激派組織「イスラム国」の拠点を空爆した。写真はオランド仏大統領(左)とプーチン・ロシア大統領、パリで10月撮影(2015年 ロイター/Philippe Wojazer)

 フランスとロシアは17日、シリアにある過激派組織「イスラム国」の拠点を空爆した。13日のパリ同時多発攻撃と10月のロシア旅客機墜落に関与したイスラム国への報復が目的で、両国はさらなる攻撃強化に向けて連携に動いている。

 ロシア大統領府はこの日、10月31日にエジプト・シナイ半島で起きたロシア旅客機墜落について、爆発物が原因で墜落したと発表。プーチン大統領は犯人を捜し出すとともに、イスラム国への空爆を強化すると表明。

 17日のロシア軍による空爆の標的にはイスラム国が「首都」とするラッカが含まれた。フランス軍も同日夜にラッカを空爆した。

 17日の攻撃では両国は連携していないが、オランド仏大統領はパリ事件を受け、対イスラム国で国際社会が共闘するよう呼び掛けている。

 ロシア大統領府によると、プーチン大統領はオランド大統領と電話で会談し、ロシア海軍に対し、地中海東部に向かうフランス海軍の部隊と連絡を取り、同盟軍として扱うよう指令を出した。大統領は軍幹部に対し、海軍と空軍によるフランスとの合同作戦計画を練る必要があると述べた。

 フランス大統領府は17日、オランド大統領がイスラム国への対応を協議するため、米国とロシアを来週訪問すると発表。オランド大統領は24日にワシントンでオバマ大統領と、26日にモスクワでプーチン大統領と会談する。

 一方、欧州連合(EU)はフランスの要請に応じ、EU条約に基づく集団的自衛権の行使を初めて決定。加盟国がどのような支援をするかは現段階で不明だが、ルドリアン仏国防相はシリア、イラク、アフリカに展開するフランス軍への支援を期待していると述べた。

[パリ 17日 ロイター]

120x28 Reuters.gif
Copyright (C) 2015トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

米国は以前よりインフレに脆弱=リッチモンド連銀総裁

ワールド

ロシアがICBM発射、ウクライナ空軍が発表 2人負

ビジネス

大手IT企業のデジタル決済サービス監督へ、米当局が

ビジネス

独VW、リストラ策巡り3回目の労使交渉 合意なけれ
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:超解説 トランプ2.0
特集:超解説 トランプ2.0
2024年11月26日号(11/19発売)

電光石火の閣僚人事で世界に先制パンチ。第2次トランプ政権で次に起きること

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「会見拒否」で自滅する松本人志を吉本興業が「切り捨てる」しかない理由
  • 2
    Netflix「打ち切り病」の闇...効率が命、ファンの熱が抜け落ちたサービスの行く末は?
  • 3
    「ワークライフバランス不要論」で炎上...若手起業家、9時〜23時勤務を当然と語り批判殺到
  • 4
    習近平を側近がカメラから守った瞬間──英スターマー…
  • 5
    北朝鮮兵が「下品なビデオ」を見ている...ロシア軍参…
  • 6
    元幼稚園教諭の女性兵士がロシアの巡航ミサイル「Kh-…
  • 7
    若者を追い込む少子化社会、日本・韓国で強まる閉塞感
  • 8
    朝食で老化が早まる可能性...研究者が「超加工食品」…
  • 9
    クリミアでロシア黒海艦隊の司令官が「爆殺」、運転…
  • 10
    日本人はホームレスをどう見ているのか? ルポに対す…
  • 1
    朝食で老化が早まる可能性...研究者が「超加工食品」に警鐘【最新研究】
  • 2
    北朝鮮兵が「下品なビデオ」を見ている...ロシア軍参加で「ネットの自由」を得た兵士が見ていた動画とは?
  • 3
    朝鮮戦争に従軍のアメリカ人が写した「75年前の韓国」...写真を発見した孫が「衝撃を受けた」理由とは?
  • 4
    自分は「純粋な韓国人」と信じていた女性が、DNA検査…
  • 5
    「会見拒否」で自滅する松本人志を吉本興業が「切り…
  • 6
    ロシア陣地で大胆攻撃、集中砲火にも屈せず...M2ブラ…
  • 7
    アインシュタイン理論にズレ? 宇宙膨張が示す新たな…
  • 8
    建物に突き刺さり大爆発...「ロシア軍の自爆型ドロー…
  • 9
    沖縄ではマーガリンを「バター」と呼び、味噌汁はも…
  • 10
    クルスク州の戦場はロシア兵の「肉挽き機」に...ロシ…
  • 1
    朝食で老化が早まる可能性...研究者が「超加工食品」に警鐘【最新研究】
  • 2
    北朝鮮兵が「下品なビデオ」を見ている...ロシア軍参加で「ネットの自由」を得た兵士が見ていた動画とは?
  • 3
    外来種の巨大ビルマニシキヘビが、シカを捕食...大きな身体を「丸呑み」する衝撃シーンの撮影に成功
  • 4
    朝鮮戦争に従軍のアメリカ人が写した「75年前の韓国…
  • 5
    自分は「純粋な韓国人」と信じていた女性が、DNA検査…
  • 6
    秋の夜長に...「紫金山・アトラス彗星」が8万年ぶり…
  • 7
    北朝鮮兵が味方のロシア兵に発砲して2人死亡!? ウク…
  • 8
    「会見拒否」で自滅する松本人志を吉本興業が「切り…
  • 9
    足跡が見つかることさえ珍しい...「超希少」だが「大…
  • 10
    モスクワで高層ビルより高い「糞水(ふんすい)」噴…
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中