【写真特集】習近平を迎えたアメリカの「アメとムチ」
西海岸ではビジネス界から熱烈歓迎、東海岸ではオバマ政権から「冷たい」国賓待遇
上得意 シアトル郊外のボーイング社の工場を訪問した習近平。総額380億ドルにのぼる航空機購入の大型契約が発表された Mark Ralston-REUTERS
9月後半にアメリカを訪問した中国の習近平(シー・チンピン)国家主席を待ち構えていたのは、巨大な中国市場に期待を寄せるビジネス界からの熱い歓迎と、サイバー攻撃や人権問題で対峙する姿勢を崩さないオバマ政権の冷ややかな待遇――。
米中両大国の良好な関係を内外にアピールしようとした習の目論見は空振りに終わったようだが、経済力、軍事力を背景にした中国の存在感は誰にも否定のしようがない。今回の習の訪米で、中国の台頭を牽制しつつも中国経済への依存を強める、そんなアメリカのしたたかな対中戦略が見えてくる。
シアトルのマイクロソフト本社で開催された米中インタネット産業フォーラムには、米中のIT業界を牽引する錚々たるメンバーが顔を揃えた。アメリカ側のホスト役を務めたマイクロソフトのサトヤ・ナデラCEO(中央習の右隣)、アマゾンのジェフ・ベゾスCEO(前列右端)、アップルのティム・クックCEO(前列右から3人目)、フェイスブックのマーク・ザッカ―バーグCEO(前列左端)などが集まった。中国市場にかける米企業の熱い期待がうかがえる。しかし2010年の撤退以来、中国との関係がこじれているグーグルのCEOは、招待されなかった。
シアトルのフォーラムの会場には、マイクロソフトの創業者ビル・ゲイツも姿を見せた。習夫人の彭麗媛(ポン・リーユアン)とのツーショット。