最新記事

アジア

中国の動きをにらみインドが海軍増強

インドの軍拡は「インド洋は渡さない」という決意表明

2015年7月28日(火)17時31分
ミシェル・フロルクルス

急ピッチ 27年までに艦艇数を倍以上にする計画 Danish Siddiqui-REUTERS

 インドが海軍力の飛躍的な増強を打ち出した。保有する艦艇数を27年までに200隻も増やすという。現状は137隻だから、実に2倍以上になる。P・ムルゲサン海軍中将は地元紙に対し「新たな原子力潜水艦6隻の導入には、既に政府の許可が出た」と語り、3つの艦隊に各1隻ずつの空母を追加する計画も明らかにした。

 現在、インド国内の造船所が建造できる軍艦は年に4~5隻程度だ。自力で200隻の目標を達成するのは不可能に近い。そうであれば外国から調達するしかなく、南アジアの大国インドが、遠からず世界屈指の武器輸入国となるのは必至だ。かつてのインドはもっぱらロシアから武器を買っていたが、近年ではアメリカもインドへの武器輸出を増やしている。

 なぜインドは海軍力の増強を急ぐのか。急速に軍備を拡大している中国に対抗するため、というのが大方の見方だ。南シナ海で強引に制海権を握ろうとする中国に対しては周辺諸国が神経をとがらせているが、インドにも大国の意地がある。原潜も空母も「インド洋は渡さない」という決意表明だ。

[2015年7月28日号掲載]

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

ウォルマート、2─4月営業利益予想明示せず 関税踏

ビジネス

高インフレと成長鈍化の同時リスクで見解ほぼ一致=F

ビジネス

訂正-米国株式市場・午後=急騰、トランプ氏が相互関

ワールド

訂正トランプ氏、相互関税の一部を90日間停止 対中
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:トランプ関税大戦争
特集:トランプ関税大戦争
2025年4月15日号(4/ 8発売)

同盟国も敵対国もお構いなし。トランプ版「ガイアツ」は世界恐慌を招くのか

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    公園でひとり歩いていた老犬...毛に残された「ピンク色」に心打たれる人続出
  • 2
    【心が疲れたとき】メンタルが一瞬で “最強” になる「超短い一言」
  • 3
    クレオパトラの墓をついに発見? 発掘調査を率いた考古学者が「証拠」とみなす「見事な遺物」とは?
  • 4
    【クイズ】ペットとして、日本で1番人気の「犬種」は…
  • 5
    投資の神様ウォーレン・バフェットが世界株安に勝っ…
  • 6
    まもなく日本を襲う「身寄りのない高齢者」の爆発的…
  • 7
    使うほど脱炭素に貢献?...日建ハウジングシステムが…
  • 8
    毛が「紫色」に染まった子犬...救出後に明かされたあ…
  • 9
    ロシア黒海艦隊をドローン襲撃...防空ミサイルを回避…
  • 10
    トランプ関税で大富豪支援者も離反「経済の核の冬」…
  • 1
    ひとりで海にいた犬...首輪に書かれた「ひと言」に世界が感動
  • 2
    公園でひとり歩いていた老犬...毛に残された「ピンク色」に心打たれる人続出
  • 3
    【話題の写真】高速列車で前席のカップルが「最悪の行為」に及ぶ...インド人男性の撮影した「衝撃写真」にネット震撼【画像】
  • 4
    健康寿命を伸ばすカギは「人体最大の器官」にあった.…
  • 5
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる…
  • 6
    ロシア黒海艦隊をドローン襲撃...防空ミサイルを回避…
  • 7
    【クイズ】日本の輸出品で2番目に多いものは何?
  • 8
    「吐きそうになった...」高速列車で前席のカップルが…
  • 9
    5万年以上も前の人類最古の「物語の絵」...何が描か…
  • 10
    紅茶をこよなく愛するイギリス人の僕がティーバッグ…
  • 1
    中国戦闘機が「ほぼ垂直に墜落」する衝撃の瞬間...大爆発する機体の「背後」に映っていたのは?
  • 2
    ひとりで海にいた犬...首輪に書かれた「ひと言」に世界が感動
  • 3
    「さようなら、テスラ...」オーナーが次々に「売り飛ばす」理由とは?
  • 4
    公園でひとり歩いていた老犬...毛に残された「ピンク…
  • 5
    【話題の写真】高速列車で前席のカップルが「最悪の…
  • 6
    「一夜にして死の川に」 ザンビアで、中国所有の鉱山…
  • 7
    「今まで食べた中で1番おいしいステーキ...」ドジャ…
  • 8
    市販薬が一部の「がんの転移」を防ぐ可能性【最新研…
  • 9
    健康寿命を伸ばすカギは「人体最大の器官」にあった.…
  • 10
    テスラ販売急減の衝撃...国別に見た「最も苦戦してい…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中