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サイバー戦争をリアルタイムで表示するマップに釘付け

世界で進行しているサイバー攻撃の凄まじさには目を奪われるが、このマップは全体像のほんの一部に過ぎない

2015年7月14日(火)19時47分
ローレン・ウォーカー

How? マップ自体も驚くべきなら、データの収集方法にも驚かされる NORSE  http://map.norsecorp.com/

 世界各地で起きているサイバー攻撃をリアルタイムで視覚化する「インタラクティブマップ」(双方向地図)がここ最近、ソーシャルメディアで注目を浴びている。このマップでは、サイバー攻撃が着々と、時には怒涛のごとく行われている様子が、カラフルなレーザービーム風の線で描き出され、見る者の目をくぎ付けにしているのだ。

「ノース社のサイバー攻撃マップを見ていると、催眠術にかけられたみたいになる」と、あるユーザーはツイートしている。

「たった今、中国がアメリカにサイバー攻撃を仕掛けているぞ!」と別のユーザーが叫ぶ。

 しかし、このマップで我々が見ているものとは一体何なのだろうか?

「ここに表示されているのは、実際には当社のインフラ設備に対するサイバー攻撃です」。ノース社のジェフ・ハーレル製品担当部長は、本誌の電話取材に対してそう説明した。そう、ユーザーが見ている間断ない攻撃の嵐は、たった1つの企業に対するものなのだ。

 しかもこのマップに表示されているのは、ノースが受信するデータの1%未満だという。ユーザーが目にしているのは、攻撃のごく一部を抽出した「見本」にすぎないということだ。出所や目標に関する何らかのパターンにユーザーが気づいても、全体像と比較すれば、ほとんど意味を持たないほど次元が違うのだ。

 ノース社は、サイバー脅威に対抗する企業だ。カリフォルニア州フォスターシティに拠点を置き、同社のインフラ設備に対するサイバー攻撃について情報を集め、攻撃の発生源を記録。その悪質なIPアドレスをブロックするよう顧客に知らせている。「顧客が脅威にさらされなくても済むように、我々が最初の攻撃を受けている」とハーレル氏は語る。

 彼は同社のクライアントについて具体的に明かそうとはしなかったが、金融サービスやハイテク産業の企業、そして、米エネルギー省などの政府機関のようだ(エネルギー省は、ノース社と190万ドルの契約を結んでいる)。

これは人間がやっている戦争ではない

 ノース社は、世界50カ国のあちこちに設置した800万台にのぼる特殊なセンサーを介して、ネットワークに対するサイバー攻撃を誘導している。サイバー攻撃が、ミズーリ州セントルイスといった、一見すると意外な場所を絶え間なく襲っているように見えるのはこのためだ(そこには同社の管理事務所があり、センサーも数台設置されている)。これらのセンサーは、一般的なパソコンやX線装置、ATMなど、通常標的とされるシステムに見えるよう設計されている。

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