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マレーシア航空失踪機の大事な情報を公表しなかったタイ政府の言い分
タイ空軍のレーダーはMH370便の針路変更を10日前に捉えていた
後手後手 各国間の連携がうまくいっていれば今頃は見つかっていたかも Nguyen Huy Kham-Reuters
消息不明になっているマレーシア航空370便との通信が途絶えた数分後に、タイ空軍のレーダーが同機のものと思われる機影を捉えていたことが分かった。タイ政府が18日に発表した。
タイ空軍のレーダーがとらえた機影がマレーシア航空370便かどうかはまだ定かではない。だが、そのレーダーに記録された飛行経路はマレーシア半島とマラッカ海峡上空を通過しており、針路を西方向に変えてインド洋に向かったといわれる現在の仮設と一致している。
この新情報自体は、現在の捜索活動に大きな変更をおよぼすものではないが、これまでの捜索活動の大きな障害となってきた問題をあらためて浮き彫りにしたといえる。つまり、捜索に加わる国々がお互いにうまく協力できていないという点だ。
タイ政府はなぜ人命に関わる情報を1週間以上も明かさなかったのか。AP通信の記事を要約すれば、理屈のとおらないその言い分はこうだ。「誰にも聞かれなかったから」
ちなみにAPの記事は以下のとおり。
なぜもっと早く情報を公開しなかったのかと問われた空軍の司令官は、「タイ空軍はわが国への脅威に対してのみ対応する。そのためわれわれへの脅威と思われない事象については、何の行動も起こさない」と語った。
問題のマレーシア航空機はタイ領空に入ってこなかったし、マレーシア政府が捜索開始直後に情報を求めてきたときは、具体性に欠けていたと、この司令官は言う。「彼らが再び情報を求めてきたときは、マレーシア首相から(西に針路変更した可能性があるとの)新しい仮設を伝えられたので、われわれは手元にある情報を見直した」
マレーシア当局は同機が方向転換してマラッカ海峡に向かった可能性を認めるまでに1週間を要したが、これは自分たちのレーダーだけでは確信が持てなかったからだろう。もっと早くにタイ空軍の情報が共有されていれば、状況は違っていたはずだ。南シナ海で行われていた捜索活動を、マラッカ海峡やインド洋、さらにその先まで拡大することになった、極めて重要な情報だったのだが。
© 2014, Slate