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米中関係次の駐中国アメリカ大使は対中タカ派の急先鋒
為替操作や不公正貿易で中国を批判した強硬派指名の意味は
72歳のボーカスは今期で上院議員引退を表明していた Jonathan Ernst-Reuters
次の駐中国アメリカ大使に指名されると報じられたマックス・ボーカス上院議員(民主党)。この人選は米中関係にどう影響するのだろうか。
外交やアジアの専門家でもないという点では、キャロライン・ケネディ駐日大使の指名と似ている。だがボーカスは上院議員として35年間、米中の通商問題に深く関わってきた。
00年代から「中国問題に関する連邦議会・行政府委員会(CECC)」で委員長を務め、今もメンバーとして在籍。CECCは中国の人権問題と経済政策に厳しい姿勢で知られる。
ボーカスは02年のブッシュ大統領(当時)訪中を前に、中国の政治犯の罪状の見直しや釈放、市民的・政治的権利を定めた国際人権規約の批准を要請すべきだと進言した。
また近年は上院財政委員長として、中国の為替相場の操作問題を指摘。「中国の輸出業者を不公正に利するものであり、アメリカの製造業と労働者が損失を被っている」と公開書簡で訴えた。中国のレアアース(希土類)輸出制限に関しても、アメリカがWTO(世界貿易機関)へ提訴することを支持した。
10年に訪中した折には国家副主席(当時)と会談。アメリカ産牛肉の輸入制限に関して、「中国による根拠なき非科学的な障壁はアメリカからの輸出を不公正に阻んでいる」と非難した。
こんな対中タカ派がどんな大使を演じるか。米中関係があまり穏やかではないタイミングでの指名は、実に意味深だ。
© 2014, Slate
[2013年12月31日号掲載]