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ネパールテロの恐怖も上回る一票への願い
06年の内戦終結以来、政争続きで憲法制定もできない異常事態に活路は見えるか
監視の下 投票所に長蛇の列を作るネパールの有権者 Navesh Chitrakar-Reuters
19日にネパールで制憲議会選挙が行われ、極左グループによる攻撃の危険も顧みず多数の国民が投票に訪れた。
選挙妨害を監視するため20万人以上の警察と兵士が全土に派遣されたが、首都カトマンズでは投票開始3時間後に投票所で爆発が起き、3人がけが、そのうち少年1人が重傷を負った。
06年に10年間にわたる反政府組織マオイストの武装闘争が終結して以来、今度で2度目の選挙となる。08年の制憲議会選挙ではマオイストが比較第1党となり、王制を廃止。だがその後も党派対立が続き、政権も3度交代したあげく憲法起草が果たせないまま議会は昨年5月に解散した。
その後は首相不在の中、マオイストなど主要政党間の交渉が行われ、今年3月に選挙管理内閣が発足した。キル・ラージ・レグミ最高裁判所長官が暫定首相となり、選挙による新政権樹立を模索してきた。
だがマオイストから分離した極左グループによる妨害工作はやまず、選挙前数週間で少なくとも30人が相次ぐ爆発により負傷した。
それでも国民は選挙に足を運び、投票率は70%前後にのぼった。選挙結果の判明には数週間以上かかるとみられる。
今回選出される制憲議会議員601人は大幅に遅れている憲法制定の任にあたる。同時に首相を選出する国会の役割も果たすことになる。
だがどの政党も単独過半数を制する見込みは薄く、国民の願いとは逆にネパールの混迷は続きそうだ。