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統制経済

ベネズエラの新聞に紙不足の危機迫る

チャベスは死んでもチャベスの政策は残されたまま

2013年9月26日(木)16時26分
ギリシュ・グプタ

物不足 外貨規制と汚職が足かせに Paulo Whitaker-Reuters

 トイレットペーパーや料理用オイルなど生活必需品の品不足が深刻化していたベネズエラで、今度は新聞が存亡の危機に立たされている。ベネズエラの新聞業界は印刷用紙の供給を輸入に頼っているが、輸入業者が必要な外貨を調達できず、用紙を確保できないのだ。

 国内の地方紙の半数以上で、数週間以内に紙の在庫がなくなるという。既に倒産したり紙面を減らした新聞も少なくない。

 危機的な状況に至った原因は、半年前に死去したチャベス元大統領が遺した経済政策にある。チャベスは03年、国内資本の流出を防ぐ目的で為替管理制度を導入し、輸入業者が外貨を取得するのを厳しく制限した。

 外貨取得に当たって輸入業者はまず、輸入したい商品が国内で生産されていないことを示す証明書を取得しなければならない。だが、当局は証明書をなかなか発行しない。証明書に基づいて外貨を提供する外貨管理委員会(CADIVI)も、官僚主義と汚職に蝕まれている。

 チャベス政権によるメディア弾圧に苦しめられたベネズエラの新聞社が、チャベスがいなくなっても、その政策のおかげで立ち行かなくなるとは、なんとも皮肉な話だ。

[2013年9月17日号掲載]

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