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中東情勢原油市場はシリア攻撃に反対!
シリア攻撃の代わりにアメリカには「供給ショック」が落ちるかもしれない
今回も無視? シリア情勢で動きが激しくなった原油市場だが政治家は気にも留めない Chip East-Reuters
イギリス議会がシリアへの軍事介入を否決した後、原油価格が下がり始めた。前日までの数日間は、戦争が始まるという噂で過去2年で最高値を記録するほど跳ね上がっていたのに。
中東情勢が不安定になるとたいてい原油価格が話題にのぼる。だが正直言って、政治家は原油市場の動きをあまり直視したがらないようだ。
今回もそうだ。シリア攻撃は地域を安定させるどころか不安定にする――こうした原油の動きは少なくとも、政治的にはタカ派でもハト派でもないが多くの金を原油に賭けている人々がどう思うかを総合した市場が発するしごくまっとうな指標の一つだ。
もっと正確に言えば、シリア攻撃はアメリカ経済に深刻な影響を与えることになるかもしれない。昨今の原油市場の動きにはその兆しが見える。原油価格の上昇は米国経済には悪い供給ショックをもたらす。あらゆるコストが上がり、利益は削られ、雇用状況は再び悪化して、実質賃金も下がるかもしれない。
原油価格の安定が戦争の是非を決める決定的な要素というつもりはない。実際、原油とは何ら関係のないところで爆撃をしないほうがいい理由は他にもある。
ただアメリカ議会のタカ派は、シリア攻撃がアメリカ経済におよぼす潜在的な影響にちゃんと目を向けるべきだ。もちろん、予想される原油市場の先行きについてもだ。22のアラブ諸国・機構で構成されるアラブ連盟は、シリア攻撃が地域に政治的な不安定をもたらすと考えている。原油市場も同じ考えのようだ。
© 2013, Slate