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対テロ戦争3カ国「同時」脱獄はアルカイダ復活の前触れ?
1週間ほどの間に3カ国で連続して発生した脱獄事件は、偶然で片づけられない
組織的攻撃 破壊されたパキスタンのデラ・イスマイル・カーン刑務所(7月30日) Reuters
陰謀論者が盛り上がりそうな話だ。陰謀とまでは言えないまでも、偶然とも言い切れない。同じようなことが2度ならず3度起きたとなれば、何らかの意図を感じざるをえない。
この1週間ほど、イラク、リビア、そしてパキスタンで、立て続けに大がかりな刑務所襲撃と脱獄事件が起きたのは、果たして偶然なのか。
3つの事件が関連していると示す証拠はない。だがいずれの国でも、逃げ出した中には武装勢力のリーダーたちが含まれていた。専門家たちは一連の事件は偶然ではないと警鐘を鳴らしており、アルカイダの「世界規模の復活」の前兆と見る向きまである。元情報アナリストのジョシュア・ファウストは次のように指摘する。
アルカイダは、こうしたことが起きると以前から予告していた。昨年の夏、イラクのアルカイダのリーダーであるアブ・バクル・アル・バグダディはオンライン上の声明で、かつて米軍に一掃された彼の武装組織の拠点は再建されつつあるとした。
「君たちに朗報だ」と、彼は支持者に向けて語った。「われわれは『壁を打ち破れ』と名付けた計画によって、戦いの新たな局面に突入している。忘れるな。君たちが優先すべきは、イスラムの囚人たちを解放することだ」
第1の事件:イラク
7月21日、首都バグダッド近郊にあるアブグレイブ刑務所とタージ刑務所で脱獄事件が発生。爆弾を積んだ車が刑務所に突っ込み、さらには銃で武装した男たちが刑務所を襲撃したという。
警備兵たちは迫撃砲や携行式ロケット弾などで攻撃され、20人以上が死亡した。この事件で500人以上の受刑者が逃げ出し、7月23日にアルカイダが犯行声明を出した。「脱獄した受刑者の多くは、死刑判決を言い渡されていたアルカイダの幹部だった」と、イラク政府の安全保障・防衛委員会の上級メンバーであるハキム・アルザミリは言う。
第2の事件:リビア
7月27日、北部の都市ベンガジにあるアルクイフィヤ刑務所内部で暴動が発生し、外部からも攻撃を受けた。これにより1000人の受刑者が脱獄した。
脱獄者の多くは一般の犯罪者だったが、一部は前最高指導者ムアマル・カダフィ政権につながりを持つ者たちだったという。100人近くが再び身柄を拘束されたが、現在でもリビアにはこうした暴力が残っていると思い知らされる事件となった。
第3の事件:パキスタン
7月29日の夜、タリバンやイスラム過激派勢力のメンバーたちが拘束されていたパキスタン北西部のデラ・イスマイル・カーン刑務所が武装したグループに攻撃され、約250人が脱獄。パキスタンのタリバン勢力が犯行声明を出した。逃げ出した中には武装勢力のリーダーや死刑囚もいたという。
From GlobalPost.com特約