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内部告発スノーデンの亡命先はロシア?
逃亡中の元CIA職員はモスクワの空港に足止めされたまま、21カ国に亡命申請を出している
返還拒否 米政府の機密を持ち出したスノーデンの身柄引き渡しを拒むプーチンの真意は Maxim Shemetov-Reuters
米国家安全保障局(NSA)の監視活動を暴露し、逃亡中の元CIA職員エドワード・スノーデンがロシアに政治亡命を申請した。
スノーデンは先月23日に潜伏先の香港からロシアに向かい、首都モスクワのシェレメチェボ空港の乗り継ぎ区域に1週間以上とどまっている。彼に付き添っている内部告発サイト「ウィキリークス」のスタッフが代理人として30日、先に亡命申請していたエクアドルとアイスランドに加え、新たに19カ国に亡命を申請。ロシアはそのうちの1つだという。
ロシアのウラジーミル・プーチン大統領は既に、スノーデンの身柄をアメリカに引き渡すつもりはないと明言している。ただし7月1日の記者会見では、亡命を認める条件としてスノーデンはアメリカの機密情報の暴露を止めなければならないと語った。
プーチンはさらに、スノーデンは「ロシアのスパイではない」し、ロシアの情報当局者がスノーデンと空港でやり取りしていることもない、と述べた。
人権団体も政治家もスノーデンの味方
プーチン発言の直前、ロシア政府に政策提言を行う団体「社会会議」がスノーデン問題の社会的影響について話し合い、彼を米当局に引き渡す根拠はない、と結論を出していた。
ロシアでは人権団体も多くの政治家もそろってスノーデンの味方に付いている。
ロシアのノーボスチ通信によれば、社会会議のウラジスラフ・グリブ副議長は、問題の情報活動によって「アメリカが大変な人権侵害を犯していることは明らかだ。しかもその人権侵害は世界規模で起きている」と語った。「スノーデンは無私無欲かつ公明正大に、自分の役割を果たした」
ロシアの与党・統一ロシアのベテラン議員、アレクサンドル・シジャキンは、スノーデンをノーベル賞候補に推薦することまで提案している。
オバマはタンザニア訪問中の1日の記者会見で、アメリカとロシアはスノーデンの身柄引き渡しについて「高いレベルでの協議」を行っていると語った。
この日、亡命受け入れを検討すると以前に発言していたベネズエラのニコラス・マドゥロ大統領が、天然ガス輸出国フォーラムのためにモスクワを訪問(ベネズエラはスノーデンが今回、亡命申請した19カ国の1つ)。プーチンとマドゥロは2日に会談予定で、スノーデン問題も協議するのではないかとみられている。