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ベルギー「汚い」と酷評された国際都市ブリュッセル
EU3位の金持ち都市なのに、稼いでいるのは外国人か3カ国後を操る市外の住民ばかり
複雑な事情 ベルギーの首都には課題が山積している Mark Renders/Getty Images
EUやNATO(北大西洋条約機構)が本部を置く国際色豊かな都市......と思われがちなベルギーの首都ブリュッセルが、外国メディアからの「ダメ出し」に揺れている。
仏リベラシオン紙は「その醜さと汚さは衝撃的だ」と評し、米ウォール・ストリート・ジャーナル紙は交通渋滞や競争力の低さなどの問題点を列挙。ベルギーメディアや市民からは怒りの声が巻き起こっている。
もっとも、そうした指摘は的外れではない。都市別の1人当たりのGDP比較ではEUで3位だが、裕福なのは国際機関の職員や外国人駐在員ばかりで、若年層や市民の3分の1を占める移民の失業率は非常に高い。
背景には多言語国家の複雑な事情が絡む。市民の大半はフランス語話者だが、周囲を取り囲むオランダ語圏のフラマン地域の人々はオランダ語とフランス語(と英語)に堪能だ。ブリュッセルでの仕事の大半は3言語を操れることが条件とされるため、地元民は市外からの30万人の通勤者に職を奪われる。
さらに市外在住者が納める税金はブリュッセル当局の懐には入らない。深刻な財源不足が続く限り、「欧州の首都」が美しい町に変わる日は遠そうだ。
From GlobalPost.com特約
[2013年6月25日号掲載]