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中南米ブラジルが大規模デモでW杯に「ノー」?
サッカーの国ブラジルでW杯開催費用の国民負担に怒りが爆発
20年ぶり バス値上げなどをきっかけに全国で20万人がデモに参加した(写真はサンパウロ) Paulo Santos-Reuters
ブラジルではこの20年で最大級のデモが続き、全土で少なくとも20万人の市民が14年ワールドカップ開催でかさむ国民負担に反対の声を上げている。
リオデジャネイロでは10万人が街頭行進した。無秩序状態は回避できたが、警察に石を投げ、官庁施設に損傷を与え、車に火をつける場面もあったとロイター通信は伝える。
サンパウロではバス基本料金の3レアル(1.4ドル)から3.2レアルへの値上げに怒りが収まらず、約6万5000人がデモに参加した。
「みんな不満だらけ」とサンパウロで16歳の息子と参加していたマリア・クラウディア・カルドソはAP通信に語った。「税金はがっぽり取るくせに汚職まみれで、治安も教育も医療も最悪」。このデモで政治家は国民の不満に気付いてほしいという。
ジルマ・ルセフ大統領は18日、デモ発生以来初めてのコメントでデモへの支持を表明したとBBCが伝えた。
「わが政府は変革を求める声に耳を傾けている」と国民の怒りをなだめながら、「デモでは世代を超えて共にブラジル国旗を振り、国歌を歌い、よりよい国に向けて奮闘している。これぞ民主主義」とデモ参加者にリップサービスを送った。
首都ブラジリアでは市民が国会議事堂の非常線を超えて屋根に上った。またベロオリゾンテ、クリチバ、ビトリア、フォルタレザ、レシフェ、ベレン、サルバドルなど11都市で全国規模のデモが起きた。
警察とデモ参加者あわせて20人以上のけが人が出たと伝えれれている。警察は催涙ガス、ゴム弾などの実力行使で鎮圧しているとニューヨーク・タイムズ紙は報じた。事実、多くの暴力行為が録画されユーチューブに投稿されている。
現在は警察がゴム弾を使用しないことをデモの指導者たちと合意し、落ち着きを取り戻しつつある。だがナバネセム・ピレー国連人権高等弁務官も警察と市民の双方に平穏を呼びかけるなど、世界がブラジルのデモの行方を注視している。
From GlobalPost.com特約