最新記事
中国社会北京が痴漢対策でミニスカ禁止令
市当局が露出の高い服装に警告を発したが、本音は痴漢問題を女性に責任転嫁したいだけ?
これもNG? 盗撮対策にもバッグや新聞で隠すなど自衛をアドバイス Barry Huang-Reuters
暑くても我慢しなさい! 電車内で痴漢に遭いたくなければ、「ミニスカートやホットパンツ」は避けるように──北京市公安局は人々が薄着になる夏を前に痴漢対策ガイドラインを発表した。
さらに、盗撮されないようにバスの2階席には座らないこと。「体をバッグや雑誌、新聞で覆って身を守ること」と、当局のアドバイスは続く。
北京では08年の夏季オリンピックを機に地下鉄網が整備された。最近は人口増加もあって地下鉄やバスが混雑し、痴漢被害を訴える女性が増えている。
では痴漢された場合はどうするか? ガイドラインは、バスが徐行運転あるいは停止したときを狙って、痴漢を突き飛ばしなさいと助言する。
当局は、痴漢行為については被害女性自身で対処してほしいというスタンスだ。痴漢犯罪を裁判に持ち込むのは難しいからだと主張している。「バスや地下鉄に監視カメラがない限り、痴漢を立証するのは困難だ」と、北京市公安局のシン・ウェイは日刊紙チャイナ・デイリーに語った。「被害女性にどう対処するかについて、公共交通の職員を教育するのも難しい」
確かに、北京の公共交通機関に助けを求めても無理なようだ。乗客が被害を報告するホットラインもないし、大半のバスは監視カメラを設置していない。「われわれの仕事は客を目的地まで届けることだけ」という態度だ。しかし、乗客の安全を保証するのも交通機関の責任だ、という声も少なくない。
どうやら北京当局は、上海の地下鉄がちょうど1年前に女性から猛反発を受けた事件をもう忘れてしまったようだ。昨年6月、上海の地下鉄は透けたワンピースを着た女性の写真と一緒に「こんな格好で地下鉄に乗ったら、痴漢に遭わないほうがおかしい」と、女性の薄着に注意を促した。だが女性たちはこれを「性差別」だと猛抗議。地下鉄のプラットフォームで座り込みの抗議運動を行う女性も現れた。
ちなみに中国では痴漢犯罪の最高刑はわずか15日間の拘留だ。
From GlobalPost.com特約