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インドフェイスブックで子供が売られた!
孫の赤ん坊をFBで売ることを思いついた幼児売買・誘拐大国の闇
スラムドッグ 幼児失踪事件のうち警察が捜査を行うのは少数でしかない Gerry Images
赤ん坊の孫をフェイスブックで「売却」した祖父を逮捕──。4月末にインド北部パンジャブ州の警察がそう発表すると、多くの人がショックを受けた。
しかし、その陰で見落とされている事実がある。この国では子供の売買は決して珍しくない。政府の試算では、11年に失踪した子供は約9万人。政府は多くが家出で後に帰宅しているというが、行方不明のままの子供が3万5000人近くいる。捜査が行われたケースは1万5000件にとどまる。
フェイスブックで売られた子は、幸運だった。母親の通報を受けて警察がすぐに動き、男の子を確保した。「祖父がデリーの人物と話をつけ、病院職員を仲間に引き込んで赤ん坊を運び出していた」と、地元警察の本部長は説明している。
これは例外的なケースだ。現実には、親が警察に届け出ても相手にされないことが多い。特に、貧しいスラム地区に暮らす一家だと、警察は家出だと決め付けがちだ。最初から家族の関与を疑って掛かる場合もある。
しかし、親や親族が意図的に子供を売り飛ばすケースは極めて少ないと、児童保護の専門家らは指摘する。「私たちが扱う事件の大多数で、いい職やいい暮らしが待っていると約束されて、子供を手放している」と、非営利団体「セーブ・ザ・チャイルドフッド運動」の弁護士ブワン・リブは言う。
親にはいくらかの金が渡されるが、子供の将来の給料からの前払い金だと説明される。金を受け取らせることで、親に罪悪感を持たせ、警察に届けづらくさせようという思惑なのだろう。
あらゆる人身取引を厳しく取り締まる法律が今年に入って施行されたが、親たちの届け出を受け付けることに消極的な警察の姿勢は変わっていない。インドのメール・トゥデー紙によれば、届け出を取り下げるよう迫ったり、金を要求したりするケースもあった。
最近も、4月に拉致されてレイプの被害に遭った5歳の少女の親を警察が「買収」しようとした疑惑が浮上している。娘がいなくなったと親が届け出たとき、警察はすぐに捜査しなかった。その事実を隠蔽するために、口止め料を用意したとされる。
これらは氷山の一角だ。リブによれば、「1時間に10人のペースで子供が失踪していると見ているが、捜査が行われる割合はそのうちの1人だけ」なのだ。
From GlobalPost.com特約
[2013年5月14日号掲載]