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中国ブタ死骸が大量漂流する汚れたモラル
鳥インフルエンザの感染源とも疑われる豚問題の原点
無責任 豚の死骸を片付ける作業員 Reuters
最初に発見した人はさぞかし驚いたことだろう。中国で最も発展した経済都市である上海を流れる黄浦江を、数え切れないほどの豚の死骸が流れてきたのだから。
先週、市民の水源でもある黄浦江で6000頭以上の豚の死骸が見つかると、上海市当局は慌てて「水道水の水質は衛生基準の範囲内」と発表。死骸の一部から「豚サーコウイルス」が検出されると、「人には感染しない」と影響拡大を否定した。ところが後に、川の水のサンプルからウイルスが検出された。
川の上流の農民が病死した豚を投棄したとみられているが、上海市民が警戒すべきなのは、水質悪化ではないかもしれない。
新華社通信によれば、上海の隣に位置する浙江省の裁判所で先週、病死した豚の肉を売っていた46人に有罪判決が言い渡された。浙江省の地元当局が昨年、豚の病死肉摘発キャンペーンを実施したところ、ウイルス検査で陽性を示した豚肉約6トンが見つかっていた。
中国で病死豚肉の売買が横行するのは、インフレで豚肉の値段が高騰していることが背景にある。「汚れているのは川の水ではなく、この国のモラルだ」と、作家の李明生(リー・ミョンション)は嘆いている。
From GlobalPost.com特約
[2013年3月26日号掲載]