最新記事

社会

鼻整形でアピールするイラン女性の戦い

スカーフの女たちが世界一のペースで鼻を整形する理由

2013年3月15日(金)13時00分
エレン・コノリー

アート? 手術から3週間後、待合室で医師の検査を待つテヘランの女性 Caren Firouz-Reuters

 イランは世界に冠たる「鼻整形大国」だ。毎年20万人が手術を受けるとも言われている。英紙ガーディアンによると、その圧倒的多数はハリウッド女優の「お人形のような顔」に憧れて、鼻を高くする美容整形手術に踏み切る女性たちだ。

 イラン鼻科学学会と米ジョンズ・ホプキンズ大学は、鼻整形手術を受けるイラン人の割合はアメリカ人の7倍に達すると発表した。イラン女性は早ければ14歳ぐらいから、欧米風の顔立ちを手に入れるために手術を受けるという。

 鼻の整形は、ヒジャブ(髪の毛を隠すスカーフ)の着用を強制されているイランの現状に対する反乱の意味もある。あるイラン人女性はガーディアンの取材にこう語っている。「美しい容姿や髪、肌に(男たちの)注目を集めたいと思うのは自然な感情。でもヒジャブのせいで、私たちはそれができない。だから、『顔のアート』を見せて本能を満足させているの」

 イランの女性たちは手術を受けたことを恥ずかしいと思わないらしい。整形手術後は多くの女性が、鼻を覆う「名誉の包帯」を付けて、堂々と外出するそうだ。

[2013年3月12日号掲載]

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

トランプ政権、連邦補助金凍結指示を撤回=ホワイトハ

ワールド

米、エヌビディアの中国販売巡る規制強化を検討=報道

ワールド

ウクライナ、ロシアの石油ポンプ場などにドローン攻撃

ビジネス

FRBが金利据え置き、声明からインフレ「進展」の文
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:トランプ革命
特集:トランプ革命
2025年2月 4日号(1/28発売)

大統領令で前政権の政策を次々覆すトランプの「常識の革命」で世界はこう変わる

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる唯一の方法
  • 2
    「DeepSeekショック」の株価大暴落が回避された理由
  • 3
    DeepSeekショックでNVIDIA転落...GPU市場の行方は? 専門家たちの見解
  • 4
    トランプのウクライナ戦争終結案、リーク情報が本当…
  • 5
    緑茶が「脳の健康」を守る可能性【最新研究】
  • 6
    女性が愛おしげになでていたのは「白い犬」ではなく.…
  • 7
    血まみれで倒れ伏す北朝鮮兵...「9時間に及ぶ激闘」…
  • 8
    フジテレビ局員の「公益通報」だったのか...スポーツ…
  • 9
    世界初の研究:コーヒーは「飲む時間帯」で健康効果…
  • 10
    AI相場に突風、中国「ディープシーク」の実力は?...…
  • 1
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる唯一の方法
  • 2
    有害なティーバッグをどう見分けるか?...研究者のアドバイス【最新研究・続報】
  • 3
    世界初の研究:コーヒーは「飲む時間帯」で健康効果が異なる【最新研究】
  • 4
    日鉄「逆転勝利」のチャンスはここにあり――アメリカ…
  • 5
    戦場に「杖をつく兵士」を送り込むロシア軍...負傷兵…
  • 6
    緑茶が「脳の健康」を守る可能性【最新研究】
  • 7
    DeepSeekショックでNVIDIA転落...GPU市場の行方は? …
  • 8
    血まみれで倒れ伏す北朝鮮兵...「9時間に及ぶ激闘」…
  • 9
    煩雑で高額で遅延だらけのイギリス列車に見切り...鉄…
  • 10
    いま金の価格が上がり続ける不思議
  • 1
    ティーバッグから有害物質が放出されている...研究者が警告【最新研究】
  • 2
    有害なティーバッグをどう見分けるか?...研究者のアドバイス【最新研究・続報】
  • 3
    体の筋肉量が落ちにくくなる3つの条件は?...和田秀樹医師に聞く「老けない」最強の食事法
  • 4
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 5
    「涙止まらん...」トリミングの結果、何の動物か分か…
  • 6
    「戦死証明書」を渡され...ロシアで戦死した北朝鮮兵…
  • 7
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる…
  • 8
    中国でインフルエンザ様の未知のウイルス「HMPV」流…
  • 9
    失礼すぎる!「1人ディズニー」を楽しむ男性に、女性…
  • 10
    戦場に「杖をつく兵士」を送り込むロシア軍...負傷兵…
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中