最新記事

人質事件

アフリカで止まらない外国人拉致の連鎖

今度はナイジェリアで誘拐事件が発生。犯行声明を出したイスラム武装勢力はアルカイダとの関連も

2013年2月19日(火)17時52分

拡大する脅威 イスラム武装勢力アンサルはイスラム武装組織ボコ・ハラムやアルカイダとも関係していると言われる(マリ、12年6月) Adama Diarra-Reuters

 日本人を含め大勢の人が犠牲になったアルジェリア人質事件からおよそ1カ月。今度はナイジェリアで新たな誘拐事件が勃発した。

 同国北部バウチ州で16日夜、武装集団がレバノン系の建設会社の施設を襲撃し、警備員1名を殺害。同施設で働いていた外国人7名を誘拐した。

 誘拐されたのはイギリス人、ギリシャ人、イタリア人がそれぞれ1名とレバノン人4名(うち2名は女性)だという。

 ボイス・オブ・アメリカ(VOA)の報道によれば、武装集団は建設会社を襲う前に、隣接する刑務所と警察署を襲撃。刑務所内の囚人を連れ出すのが目的だったようだが失敗に終わり、建設会社の施設へ逃げ込んだものとみられる。

 18日には、イスラム武装勢力「アンサル」が犯行声明を発表。その中で、今回の誘拐は欧州諸国によるマリやアフガニスタンへの介入に対する報復であることを示唆した。

 VOAによれば、アンサルは昨年頃からナイジェリアで台頭し、イスラム武装組織ボコ・ハラムや国際テロ組織アルカイダとも関係があると言われている。ボコ・ハラムはこれまでも同国北部でテロや誘拐を繰り返しており、09年以降に1000人以上が犠牲になったとされる。

From GlobalPost.com特約

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

今年の世界経済成長率は昨年並みの2.8%に=国連経

ワールド

ガザ停戦協議で一定の進展、合意まだ=パレスチナ当局

ワールド

マスク氏、独極右政党党首と対談 支持表明にEUが対

ワールド

ロス山火事、鎮火率依然0% プロバスケ試合も延期
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:中国の宇宙軍拡
特集:中国の宇宙軍拡
2025年1月14日号(1/ 7発売)

軍事・民間で宇宙覇権を狙う習近平政権。その静かな第一歩が南米チリから始まった

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「涙止まらん...」トリミングの結果、何の動物か分からなくなったペットの姿にネット爆笑【2024年の衝撃記事 5選】
  • 2
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるようになる!筋トレよりもずっと効果的な「たった30秒の体操」
  • 3
    装甲車がロシア兵を轢く決定的瞬間...戦場での衝撃映像に「弾薬が尽きていた」とウクライナ軍
  • 4
    「戦死証明書」を渡され...ロシアで戦死した北朝鮮兵…
  • 5
    仮想通貨が「人類の繁栄と自由のカギ」だというペテ…
  • 6
    「ポケモンGO」は中国のスパイ? CIAの道具?...大人…
  • 7
    トランプさん、グリーンランドは地図ほど大きくない…
  • 8
    いち早く動いたソフトバンク...国内から「富の流出」…
  • 9
    中国でインフルエンザ様の未知のウイルス「HMPV」流…
  • 10
    大河ドラマ『べらぼう』が10倍面白くなる基礎知識! …
  • 1
    「戦死証明書」を渡され...ロシアで戦死した北朝鮮兵の遺族を待つ運命とは? 手当を受け取るには「秘密保持」が絶対
  • 2
    「涙止まらん...」トリミングの結果、何の動物か分からなくなったペットの姿にネット爆笑【2024年の衝撃記事 5選】
  • 3
    中国でインフルエンザ様の未知のウイルス「HMPV」流行の懸念
  • 4
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 5
    ロシア軍は戦死した北朝鮮兵の「顔を焼いている」──…
  • 6
    仮想通貨が「人類の繁栄と自由のカギ」だというペテ…
  • 7
    ザポリージャ州の「ロシア軍司令部」にHIMARS攻撃...…
  • 8
    装甲車がロシア兵を轢く決定的瞬間...戦場での衝撃映…
  • 9
    「日本製鉄のUSスチール買収は脱炭素に逆行」買収阻…
  • 10
    北朝鮮兵が「下品なビデオ」を見ている...ロシア軍参…
  • 1
    大腸がんの原因になる食品とは?...がん治療に革命をもたらす可能性も【最新研究】
  • 2
    夜空を切り裂いた「爆発の閃光」...「ロシア北方艦隊」の基地で発生した大爆発を捉えた映像にSNSでは憶測も
  • 3
    インスタント食品が招く「静かな健康危機」...研究が明らかにした現実
  • 4
    ロシア軍は戦死した北朝鮮兵の「顔を焼いている」──…
  • 5
    TBS日曜劇場が描かなかった坑夫生活...東京ドーム1.3…
  • 6
    「戦死証明書」を渡され...ロシアで戦死した北朝鮮兵…
  • 7
    「腹の底から笑った!」ママの「アダルト」なクリス…
  • 8
    ロシア兵「そそくさとシリア脱出」...ロシアのプレゼ…
  • 9
    ミサイル落下、大爆発の衝撃シーン...ロシアの自走式…
  • 10
    コーヒーを飲むと腸内細菌が育つ...なにを飲み食いす…
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中