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暴力惨殺されるアフガン少女たち
男性の気に障っただけで簡単に殺されても、加害者に罪を償わせる文化もない
ホラー アフガン女性の生活は向上していない(ジャララバードのテントの教室で学ぶ少女たち) Parwiz-Reuters
アフガニスタン北部クンドゥズ州で先月末、14歳の少女ガスティナが喉をかき切られ、頭部を切り落とされて殺された。犯人はある2人の兄弟。1人が彼女との結婚を執拗に申し込んだが、娘はまだ若過ぎると父親が断っていた。兄弟は逃走したが拘束され、自宅から凶器の狩猟ナイフが押収された。だが起訴されるかはまだ分からない。
不幸にもこうした惨劇は、アフガニスタンの保守的な地方で珍しい話ではない。少女が「家族の名誉」を汚したと鼻や耳をそぎ落とされたり、強制結婚を拒んで若い女性が建物から飛び降りたり殺鼠剤を飲んだりして自殺を図る事件も増えている。
クンドゥズで女性問題に取り組むナディア・グヤによれば、昨年は少女への暴力事件が6件だったが、今年は8カ月間で既に11件も報告されているという。同州西部チャルダラで少女の遺体が発見されたが、1週間以上も引き取り手が現れなかった事件もあった。「背景に家族の名誉の問題があったに違いない」と、グヤは指摘する。女の子を産んだために夫に殺された女性もいるという。
「今年は女性を標的にした残虐行為が増えている。私たちの社会が抱える文化的な問題だ」とグヤは言う。「このようなおぞましい犯罪を犯した者は死刑にすべきだと訴えている」
しかし多くの場合、犯人は無罪放免になるか軽い刑で済まされているのが現状だ。
アフガニスタンのある元テレビキャスターは03年にタリバンに夫を殺害され、子供6人と共に残された。夫の家族は夫の兄弟と再婚するよう迫った。拒んだ彼女は命の危険を感じて子供を連れてパキスタンに脱出。「多くのアフガン女性のように貧しくて教育を受けていなかったら、無理強いされるか動物のように殺されていた」と語る。
「国際社会はアフガン女性の生活は向上していると言うが、それは幻想」と彼女は言う。「この国の男性の女性に対する考え方は何世紀も変わらない。ガスティナの死は厳しい現実だ」
[2012年12月19日号掲載]