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中南米元祖デフォルト国家アルゼンチンの受難
経済無策が招いた景気後退とインフレに抗議する大規模ストで公共サービスはマヒ状態
不信任 昨年の大統領選で圧勝したフェルナンデスの人気も急降下 Enrique Marcarian-Reuters
欧州債務危機と世界的な景気減速の影響を受け、アルゼンチン経済が急速に経済が悪化している。11月20日には、国内の2つの労働組合が所得減税と各種手当の増額を求めて全国的なストに突入した。
労働総連盟(CGT)とアルゼンチン労働者セントラル(CTA)は、合計50万人が加盟する労働組合。首都ブエノスアイレスなど全国の都市で、労働をほぼ完全に停止する24時間のストに踏み切った。2001年の債務不履行(デフォルト)宣言以降で最大の規模だ。
ブエノスアイレス・ヘラルド紙の取材に対し、CTAの統括リーダー、パブロ・ミチェリは「全国的なストについて、その意味が正しく理解されるべきだ。これはストなのだ」と語った。
「物事がどれほどひどくなっているか、家で愚痴を言うだけではすまない状態になった。行動を起こし、自分たちの権利を主張しなければならない状態に追い込まれていることを分かってほしい」
ストには空港職員やトラック運転手、電車の車掌も参加している。そのため、国内線フライトのキャンセルや、バス・電車の運休、多くの幹線道路の封鎖などを招いた。さらに銀行は休業し、通りにはゴミが放置され、多くの公立病院が急患以外の診察を停止した。
今回のストが意味するのは、昨年の大統領選で圧勝し、再選を果たした左派クリスティナ・フェルナンデス・デ・キルチネル大統領への不満の高まりだと、米ロサンゼルス・タイムズ紙は分析する。とはいえ、今年8月の調査の時点で、すでに大統領に肯定的な見方をしている回答者は35.4%しかいなかった。
国民の怒りの矛先は高いインフレ率や治安悪化、役人の汚職、外貨両替えを規制する政策などに向けられている。ストの直前、11月8日にはこうした問題に抗議するデモが行われたばかりだった。
From GlobalPost.com特約