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インドネットが煽る民族対立で3万人が大脱走
堪りかねたインド政府は、フェイスブックやグーグルに扇動的な投稿の検閲・削除を要請したが
逃げる イスラム教徒の「襲撃」を恐れてコルカタを脱出しようとする男性 Rupak De Chowdhuri-Reuters
インド政府は今週、数百のウェブサイトの閲覧を規制する行動に出た。民族対立と暴力の連鎖に歯止めをかけるためという。
今回の騒動のきっかけは、7月下旬からインド北東部のアッサム州で民族対立が激化したこと。元からの住人である非イスラム住民と新しいイスラム系住民が土地の所有権を巡って衝突し、多数の死傷者が出ている。
対立はインターネット上でもエスカレート。インド政府関係者によれば、暴行されるイスラム教徒の動画など、報復を煽るコンテンツを含むサイトは250近くに上る。さらに「都市部のイスラム教徒が北東部出身者を襲撃する」というデマも広がり、北東部出身の出稼ぎ労働者や学生3万人が大都市を脱出する騒ぎになった。
インド政府によると、フェイスブックは扇動的な投稿を検閲・削除することに応じたが、ツイッターからの回答は今のところ「不満足なものだ」と、地元紙は報じている。
インド政府は、削除要請に応じないサイトを訴える方針。インドの法律では、政府が対立を煽ると見なしたコンテンツの削除を求めた場合、フェイスブックやグーグルのようなサイト運営者は36時間以内に命令に従うか、さもなければ罰せられる。
過去数十年にわたって国内メディアに影響力を行使してきたインド政府は、コントロールの効かないネットメディアに手を焼いている、とニューヨーク・タイムズは報じている。昨年もある閣僚が、フェイスブックのようなサイトにコンテンツの事前検閲をさせようとして拒否されたという。
今回の措置も、こうした検閲努力の一環だ。ただし今回は死傷者も出ていることから、フェイスブックも求めに応じざるをえなかったとみえる。アッサム州での民族対立による死者は、先月から80人近くに上っている。
From GlobalPost.com特約