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人種問題移民大国ロシアの残忍な移民襲撃
移民労働者に成長を頼りアメリカに次ぐ移民大国で燃え上がる排外主義
解決策は「統合」 農場で働くキルギス系移民の書類を調べる警官 Ilya Naymushin-Reuters
ロシア各地で移民襲撃事件が相次いでいる。モスクワの地下鉄ではコンゴ人男性が刺され、北部コンドポガではムスリムの少女が10代の少年3人に「町を出て行け」とバットで殴られた。
先月中旬には、モスクワ中心部でアゼルバイジャン出身のムスリム活動家が殺害された。警察は強盗事件として捜査を進めているが、首や顔をナイフで刺す残忍さを考えると、人種差別的な動機があるようだ。
排外主義の矛先は非白人、とりわけ中央アジアや北カフカス地方からの移民労働者に向けられる。ある世論調査では20%のロシア人が「ロシア人のためのロシア」というスローガンに強く共感し、70%近くが他民族に対する否定的感情を持っていた。
ロシアはアメリカに次ぐ移民大国で、旧ソ連の共和国などから年間に推定1300万〜1400万人が流入。外国人による犯罪や不法滞在も問題になっている(旧ソ連の共和国出身者は査証なしで入国できるが、住所と仕事の登録が求められる)。
プーチン大統領は選挙戦で、移民が経済成長を支えてきたことを認めつつ、ロシア語習得の義務化など移民規制強化を公約にした。連邦移民局は目下、移民統合の新政策を策定中だ。
From GlobalPost.com
[2012年5月16日号掲載]