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シリア贅沢で現実逃避?アサド大統領夫人に買い物禁止令
中東に欧米的な価値観をもたらす女性と期待されたアスマだが、今は国民を虐殺する夫アサドの言いなりに
期待はずれ アサド大統領の妻アスマ(左)は、米投資銀行出身のイギリス人 Andreas Manolis-Reuters
反体制派への弾圧を続けるシリア政府への圧力を強めるため、EU(欧州連合)は意外な人物に狙いを定めた。バシャル・アサド大統領の妻アスマだ。
EUは彼女に対し、EU諸国への渡航やEU域内での買い物を禁じる制裁措置を講じる予定だ。
イギリスで生まれ育ち、JPモルガンの投資銀行部門で働いた経歴もあるアスマは、華やかで欧米に通じる価値観をもった女性とみられていた。しかし、本当にそうなのか。現に、1年近くにわたって残忍な弾圧行為を続ける夫をアスマは支持していると、ロイター通信は指摘する。国連によれば、弾圧によってこれまでに少なくとも8000人が死亡した。
英ガーディアン紙は先週、アスマとバシャルが個人的に送受信したとされる膨大な量の電子メールを入手。自国で起きている残虐行為とは無縁のような、贅沢な生活ぶりを暴露した。
イギリス入国は阻止できない
同紙によれば、50以上の電子メールがイギリスでのショッピングに関連したもの。ネットショッピングも盛んに行っており、ロンドンの高級ショッピング街チェルシーのブティックやパリの宝石店で何十万ドルも費やしてきたことが明らかになったという。
アスマへの制裁措置は23日、ベルギーのブリュッセルで行われるEU外相会議で決定され、翌日発効する見通しだ。大統領夫妻以外にも113人が制裁の対象となるほか、38の組織が資産と銀行口座を凍結される。
ただしアスマの場合、たとえ渡航が禁じられたとしても彼女がイギリスの市民権を放棄しない限り、同国への入国を阻止することはできない。
シリアで弾圧が始まって以来、一度だけ声明の中でアスマはこう述べている。「大統領はある派閥の大統領ではなく、シリアの大統領だ。私は大統領夫人として彼の役割を支持します」