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抵抗中国当局もコントロール不能の漁村デモ
役場職員が村を捨てて逃亡するほど激化した暴動は、中国の抗議デモの転換点になるのか
混沌へ 拘束中に死亡した男性のために黙祷をささげる住民たち(12月13日) Reuters
中国広東省の小さな漁村、烏坎(ウーカン)で地元政府に対する抗議デモが激化している。果たしてこのデモは中国各地で頻発している抗議運動の重要な転換点となるのか?
ならないかもしれない。だがこの抗議デモは、政府にとっても活動家にとっても注目すべき事例だ。暴動が拡大し、地元政府の職員が村から逃げ出したとまで伝えられるからだ。
中国で大規模な暴動が起きるのは珍しいことではない。この5年間、当局は公式な数字を発表していないが、中国全土で毎年約18万件の「大規模な事件」が発生しているといわれる。
ここでいう「大規模な事件」とは、デモ活動や集会など市民が集まって地元政府に抗議の声を上げること。よくあるのが政府による土地の接収とそれに伴う強制移住に対する抗議だ。また環境汚染や労働賃金の問題も抗議活動の大きな要因になる。
烏坎では土地収用の補償が十分ではないとして、住民らが3カ月前から抗議活動を開始。今週、警察に拘束された42歳の男性が死亡したのを機に、緊張は一気に高まった。警察は死因を心臓発作としているが、男性の家族は拘束中に拷問されたと主張している。
さらに直近の動きとしては、デモの激化を受けて地元政府の職員が村を捨てて逃げ出し、住民2万人の村が混沌状態に陥りつつある。住民たちは村に食料が入ってこないよう警察が止めていると怒りの声を上げている。
とはいえ過去の事例から、こうした無法状態や反政府運動はそう長くは続かないと言えるだろう。今年起きた何件かの労働ストライキやその他の暴動でも中央政府が民兵を動員して鎮圧した。
政府は既に国内随一のミニブログサイト新浪微博(シンランウェイボー)で「烏坎」を検索できないよう検閲している。烏坎の暴動にそれだけ敏感になっているということだ。