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ネパール毛沢東派軍解体でも和平はまだ先
マオイスト解体の次は、他民族の利害が絡み合うなか憲法作成という大仕事が待っている
内戦の末 やっとマオイスト軍は解体されるが…… Navesh Chitrakar-Reuters
約1万5000人の犠牲者を出した内戦の終結から5年。ネパールはようやく内戦の後処理で最大の障壁を乗り越えたのかもしれない。
ネパールの主要政党は先週、ネパール共産党毛沢東主義派(マオイスト)の軍解体に関する交渉で最終合意に達した。96年から06年まで政府を相手に武装闘争を展開した元マオイスト兵、約2万人のうち3分の1を政府軍の非戦闘治安部隊に吸収。残り3分の2には教育や職業訓練、生活再建のために最大約1万ドルの財政援助といった社会復帰支援が提供される。
ただしマオイスト解体の道筋は見えても、新憲法の制定という大仕事が待っている。君主制主義者や共産主義者に加え、多くの民族がわずかな資源や社会的平等をめぐって争っているため、詳細を詰めて新憲法を作成するのは一筋縄ではいかない。
今回の合意では、1カ月以内に憲法の草案を作成することが約束されたが、そんな短期間ではまとまりそうもない。現在は暫定憲法の下に暫定政府が置かれている状態だ。新政府の発足なくして、本物の和平が訪れたとはいえないだろう。
[2011年11月16日号掲載]