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アジア中国をにらむ新「米豪同盟」の存在感
かつて米軍が日本軍と戦うために利用したダーウィンに海兵隊基地をつくるオバマの思惑
同盟強化 オバマ大統領はギラード首相との記者会見で米軍の存在感を見せつけた(16日) Jason Reed-Reuters
バラク・オバマ米大統領は16日、初訪問したオーストラリアで北部ダーウィンをアジアにおける米軍の新たな中心地にすると発表。「アメリカはアジア太平洋地域全体への関与をさらに強めていく」と語った。オバマとオーストラリアのジュリア・ギラード首相によれば、アメリカはオーストラリアに最終的に2500人の海兵隊員を派遣することになる。
この動きは台頭する中国をにらんだ取り組みだが、ニューヨーク・タイムズ紙によればアジアでアメリカの影響力と力を取り戻したいオバマの熱意を反映している。オーストラリアに海兵隊を駐留させるのは、アメリカがこの地域に今後も関わっていくことをアジア各国に示す意図ゆえだ。
「アメリカは中国に対し、自分たちがまだ圧倒的で、もし何か大きな問題が起きても勝利する力があると示す必要がある」と、外交問題専門家でシンガポール国立大学客員教授のホアン・ジンは言う。「先手必勝だ」
ダーウィン基地には象徴的な意味もある。米軍が第2次大戦当時、日本から太平洋を奪い返す反攻の起点として利用した場所だからだ。ただ海兵隊は災害支援などでも活躍するだろうと、シドニー・モーニング・ヘラルド紙は伝えている。
オバマは17日に2時間ほどダーウィンを訪問する予定で、地元警察はかつてない規模の警戒態勢をとっていると、地元テレビ局のABC(オーストラリア放送委員会)は報じている。グローバル・ポストのオーストラリア特派員フレヤ・ピターセンによれば、オーストラリア人はオバマの訪問を大歓迎している。
シドニー・モーニング・ヘラルド紙の電子版は、オバマが女生徒とハグする写真を載せ、こう見出しをつけた。「POTUS(President of the United States、米大統領)は愛されている」
オバマは日本軍によってフィリピンから追い出され、ダーウィンからの反攻で太平洋の覇権を取り戻したダグラス・マッカーサーに自分を重ね合わせている......のかもしれない。