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洪水バンコク浸水、捨て身の防衛作戦
首都中心部を死守するために政府が下した決断は、住宅や商店が密集する東部に水を誘導することだ
焼け石に水? 浸水対策で積まれた土嚢(10月20日) Chaiwat Subprasom-Reuters
死者300人以上を出し、首都バンコクにまで迫ったタイの大洪水。都心部への流入だけは回避したい政府は、バンコク市内東部7地区へ水を迂回させる作戦に着手した。首都のすべての水門を開放し、水を東部の3つの水路に流し込んで、最終的に海に放出する計画だ。
とはいえ、都心部の死守には大きな代償を払わねばならないだろう。犠牲にされる東部地区も首都であることに変わりはなく、住宅地や商店が密集している。首都圏の人口はおよそ1000万人だ。
水の流入が見込まれる地域では、軍や一般市民ら大勢の人々が、全長約7キロに渡って土嚢の壁を積み上げている。避難準備の勧告も東部7地区を含む都内9地区に出された。
バンコク上空は暗い雲に覆われ、今後さらなる降雨が予報されている。自然の脅威は「ほほ笑みの国」を見逃してはくれないようだ。