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企業【動画】宇宙港完成で宇宙の旅が目前に
来年には20万ドルで宇宙旅行が実現? ヴァージングループの宇宙港完成にブランソン会長も大はしゃぎ
長年の夢 09年12月に宇宙船スペースシップ2の発表記者会見を行ったブランソン Phil McCarten-Reuters
世界初の宇宙船空港「スペースポート・アメリカ」が米ニューメキシコ州に完成した。建造したのは、英ヴァージングループの宇宙旅行会社ヴァージン・ギャラクティック。17日に行われた落成式には、グループのリチャード・ブランソン会長も出席し、宇宙船のデモ飛行も披露された。
AP通信は式典の模様を次のように伝えている。
商業宇宙旅行のための世界初の宇宙港が披露されるなか、イギリスの大富豪リチャード・ブランソンはいつものように派手なパフォーマンスで登場。宇宙港の屋根から命綱でぶら下がりながら現れ、シャンパンボトルを振ってがぶ飲みしていた。
滑走路だけでなくターミナルや格納施設も完備したスペースポート・アメリカには、「スペースシップ2」や「ホワイトナイト2」といったヴァージンの宇宙船が保管される。さらに宇宙管制塔や宇宙旅行者のための「準備施設」も備えている。
AP通信によれば、ホワイトナイト2での2時間半の準軌道飛行(地上から宇宙に到達して戻ってくる飛行で、地球周回はしない)の費用は20万ドル。「5分間の無重力状態と、これまで宇宙飛行士しか見られなかった地球の姿を眺める」ことができる。既に約455人がチケットを購入しており、彼らの一部も式典に参加してホワイトナイト2の遊覧飛行を見物した。
式典にはニューメキシコ州知事スザンナ・マルティネスも出席した。スペースポート・アメリカの建設費用2億900万ドルは同州の税金でまかなわれている。
ヴァージン・ギャラクティックは先週、新型民間宇宙船スペースシップ2を研究用としてNASA(米航空宇宙局)に貸し出すことで合意した。NASAの技術者や科学者らは、450万ドルの賃料を払って最大3回の飛行をする予定だ。スペースシップ2は8人乗りで、母機と共に発射し、上空で分離する空中発射型の宇宙船だ。
ギャラクティックによれば、実際の試験飛行は来年に入って開始される予定。乗客を乗せての運航開始は連邦航空局(FAA)の認可を受けてからになる。