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インド社会幼い愛娘に性転換を迫るインドの狂気
家計の負担になる「娘」を手術で「息子」に生まれ変わらせようとする親が後を絶たない
命の価値 インドではいずれ後継ぎになる男児を欲しがる両親が多い Jitendra Prakash-Reuters
一家の後継ぎとして、いずれ家族を支える存在になる男の子は大歓迎だが、嫁ぐ時に多額の持参金を持たせなければならない女の子はいらない──そんな考え方が根強く残るインドでは、お腹の赤ちゃんが女の子だとわかると中絶するケースが今も後を絶たない。それどころか、男児を切望するあまり、幼い女の子を男の子に変える性転換手術まで横行している。
地元紙ヒンダスタン・タイムズの報道によれば、マディヤ・プラデーシュ州インドールでは、1歳の赤ん坊を含む300人もの女の子が生殖器形成手術によって男の子にさせられたという。親たちは手術1件につき、約2000ポンド相当の費用を支払うらしい。
この報道を受けて、マディヤ・プラデーシュ州当局は調査を開始。インド医療評議会はこうした手術の必要性を個別の事例ごとに評価・判断する専門組織の立ち上げと、すべての都市におけるアセスメントの実施状況の確認を求めている。
手術費用が格安な上に、周囲に知られずに手術を受けられるため、インドールにはニューデリーやムンバイからも大勢の「矯正」手術希望者が押し寄せていると、ヒンダスタン・タイムズは伝えている。
女性と子供の権利拡大を訴える活動家たちは、こうした手術を「インド女性を馬鹿にした社会的狂気」だと非難している。小説家でフェミニストのタスリマ・ナスリーンは「衝撃! 胎児を殺すだけでなく、生まれた女の子を手術によって男の子に変えるなんて」とツイートした。
意図的な誤診によって手術を可能に
英テレグラフ紙によると、インドの「子供の権利擁護全国委員会」はマディヤ・プラデーシュ州政府に対して先週、実態を調査して15日以内に結果を報告するよう命じた。インド医療評議会と同州の医療担当当局は、男児を望む親たちと悪徳医師らによる「矯正」手術を阻止する対策を推奨している。
調査対象になった医師らは、手術を受ける資格があるのは、男女双方の性的特徴を有した「半陰陽」の子供だけだと主張している。しかし人権擁護団体に言わせれば、彼らは手術を可能にするために意図的に誤まった診断を下しているという。手術では女性器からペニスを形成した上で、子供に男性ホルモンの注射を打つらしい。
インドでは女児とわかると中絶するケースが多いため、妊娠中の性別診断は禁止されている。しかし、たとえ無事に生まれても、性転換手術を受けさせる親がいなくならない限り、子供にとっては悲劇的な状況に変わりはない。