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中東ジャスミン革命の暴力的第2章
アラブ革命の先陣を切ったチュニジアとエジプトで、再び市民の抗議デモが広がり始めた訳
騒乱へ逆戻り エジプトではコプト教徒とイスラム教徒の衝突をきっかけに市民の不満が噴き出した(カイロ、5月7日) Asmaa Waguih-Reuters
独裁者の排除は、長い道のりの始まりに過ぎなかった――アラブ世界に革命の嵐を起こした先駆者たちは、そう感じ始めているかもしれない。
中東の民主化革命が最初に起きたチュニジアとエジプトで先週、街頭デモが再び激化した。
およそ4カ月前に独裁的なベンアリ政権が崩壊したチュニジアでは、首都チュニスで暫定政権に対する反発するデモが勃発し、再び夜間外出禁止令が発令された。警察当局は8日、催涙ガスを浴びせてデモ参加者を蹴散らした。
4日間にわたる今回の街頭デモが起きたのは、元内相がフェースブックを通じて「ベンアリ支持者による軍事クーデターがあるかもしれない」と警告したのがきっかけだった。
エジプトでも先週末、首都カイロの国営放送前で抗議行動が勃発した。西部の貧困地区インババで、キリスト教の一派であるコプト教徒と多数派のイスラム教徒の衝突が起き、コプト教会が炎上。少なくとも12人が死亡、150人以上が負傷した。
エジプトでは宗教対立はそもそも多くはないが、コプト教徒(総人口8000万人の1割と推計される)の多くは政府軍や警察がしっかりコプト教会を警備していないと、不満を抱いている。
チュニジアと同様、エジプトではムバラク元大統領が退陣した今年2月以降、暫定政権が国内情勢の安定を図ろうと苦労してきた。両国とも今年中には選挙を実施する予定だが、一筋縄ではいかないかもしれない。