最新記事

ヨーロッパ

SEXと政治とイタリア男

「金持ち男をつかまえるのが女の幸せ」と放言するベルルスコーニ首相が、メディアを牛耳りはびこらせた男中心文化の目を覆う破廉恥度

2010年11月17日(水)16時25分
バービー・ナドー(ローマ)

キスは得意 08年の総選挙中にムッソリーニの孫娘と Tony Gentile-Reuters

 きらめく照明の下に立つ2人の中年男。1人が手にしたベルトには、ペニスを連想させるニンニクの束が......。その足元へはってくるのは、胸元をV字に深くえぐったレオタードにTバックの女性だ。

 やっと立ち上がった女性の顔の前に、男の1人がニンニクを突き出す。彼女はそれをつかみ、愛しげに頬ずりする。するともう1人の男が「よし、回れ右して視聴者にお見せしよう」と言いつつ、女性の尻に触る。「よくできたね、お嬢ちゃん」

 ポルノもどきのこの映像、ニュースをおちょくるイタリアの人気番組『ストリッシャ・ラ・ノーティツィア(ニュースを裸にしろ)』の1場面だ。夜8時半に、イタリアのテレビはこんな映像を平気で流す。

 この国は今、どこを見てもエロ、エロ、エロ。何しろ政権のトップがセックススキャンダルまみれだ。その背景には、女性の役割に関わるもっと根深い問題がある。

 10代のモデル、エスコートガール、モロッコ系ベリーダンサー......。74歳のシルビオ・ベルルスコーニ首相は、次々に若い女性たちと「交際」してはメディアを騒がせてきた。一方で男性上位のマスメディアも、所詮女はお飾りだというメッセージを発信し続けている。...本文続く

──ここから先は本日発売の『ニューズウィーク日本版』 2010年11月24日号をご覧ください。
<デジタル版のご購入はこちら
<iPad版、iPhone版のご購入はこちら
<定期購読のお申し込みはこちら
 または書店、駅売店にてお求めください

<最新号で読める関連記事>
■ベルルスコーニを追い詰める新・乱交パーティー疑惑
■ベルルスコーニ「裸の王様」の最期
<最新号の目次はこちら

[2010年11月24日号掲載]

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

アトランタ連銀総裁、今年の利下げ見通しを1回に引き

ワールド

グリーンランド、米の将来に関わる可能性 安全保障上

ワールド

カナダ首相、トランプ氏と電話会談の用意 「主権国家

ワールド

ウクライナ鉱物協定、近く署名へ 発電所の米所有巡り
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:まだ世界が知らない 小さなSDGs
特集:まだ世界が知らない 小さなSDGs
2025年4月 1日号(3/25発売)

トランプの「逆風」をはね返す企業の努力が地球を救う

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「一夜にして死の川に」 ザンビアで、中国所有の鉱山ダムから有毒の水が流出...惨状伝える映像
  • 2
    「テスラ離れ」止まらず...「放火」続発のなか、手放すオーナーが過去最高ペースで増加中
  • 3
    テスラの没落が止まらない...株価は暴落、業績も行き詰った「時代遅れ企業」の行く末は?【アニメで解説】
  • 4
    「低炭水化物ダイエット」で豆類はNG...体重が増えな…
  • 5
    コレステロールが老化を遅らせていた...スーパーエイ…
  • 6
    ロシア軍用工場、HIMARS爆撃で全焼...クラスター弾が…
  • 7
    【クイズ】アメリカで「ネズミが大量発生している」…
  • 8
    トランプの脅しに屈した「香港大富豪」に中国が激怒.…
  • 9
    止まらぬ牛肉高騰、全米で記録的水準に接近中...今後…
  • 10
    ドジャース「破産からの復活」、成功の秘訣は「財力…
  • 1
    中国戦闘機が「ほぼ垂直に墜落」する衝撃の瞬間...大爆発する機体の「背後」に映っていたのは?
  • 2
    「さようなら、テスラ...」オーナーが次々に「売り飛ばす」理由とは?
  • 3
    「今まで食べた中で1番おいしいステーキ...」ドジャース・ロバーツ監督が大絶賛、西麻布の焼肉店はどんな店?
  • 4
    市販薬が一部の「がんの転移」を防ぐ可能性【最新研…
  • 5
    「一夜にして死の川に」 ザンビアで、中国所有の鉱山…
  • 6
    「低炭水化物ダイエット」で豆類はNG...体重が増えな…
  • 7
    「テスラ離れ」止まらず...「放火」続発のなか、手放…
  • 8
    【クイズ】世界で2番目に「レアアース」の生産量が多…
  • 9
    古代ギリシャの沈没船から発見された世界最古の「コ…
  • 10
    「気づいたら仰向けに倒れてた...」これが音響兵器「…
  • 1
    中国戦闘機が「ほぼ垂直に墜落」する衝撃の瞬間...大爆発する機体の「背後」に映っていたのは?
  • 2
    テスラ離れが急加速...世界中のオーナーが「見限る」ワケ
  • 3
    「テスラ時代」の崩壊...欧州でシェア壊滅、アジアでも販売不振の納得理由
  • 4
    「さようなら、テスラ...」オーナーが次々に「売り飛…
  • 5
    テスラ失墜...再販価値暴落、下取り拒否...もはやス…
  • 6
    「今まで食べた中で1番おいしいステーキ...」ドジャ…
  • 7
    市販薬が一部の「がんの転移」を防ぐ可能性【最新研…
  • 8
    テスラ販売急減の衝撃...国別に見た「最も苦戦してい…
  • 9
    「一夜にして死の川に」 ザンビアで、中国所有の鉱山…
  • 10
    【クイズ】アメリカを貿易赤字にしている国...1位は…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中