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G20欧米から新興国へ進むパワーシフト
先月、韓国で開催された20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議は、当初「通貨戦争」勃発前夜といった空気に包まれていた。アメリカが中国を「人民元安に誘導している」と責めれば、「アメリカの量的緩和のせいで途上国にカネがあふれている」と中国が応戦する。会場は非難合戦の場と化した。
だが参加者たちは驚きの方法で「通貨安競争」を回避してみせた。為替問題から焦点をずらして、貿易不均衡を是正し経常収支を「持続可能」な水準に維持することで合意したのだ。
為替変動は市場に任せよう、通貨安誘導で競うのはやめようという、ざっくりとだが前向きな結論に至ったことで、市場関係者や政策決定者は安堵した。
合意形成に至ったことでG20の株は上がり、景気が回復すればG20など「お呼びでなくなる」と批判を鎮めた。この良好な雰囲気を維持する形で、今月11日からのG20首脳会議(金融サミット)では先の合意が確認され、国際的な金融規制強化策などが話し合われる予定だ。
存在感を増す新興国を加えたG20が、先進国だけのG7に代わって経済問題での協調の場として機能し始めている。...本文続く
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[2010年11月17日号掲載]