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夏の読書はスローでいこう

2010年8月17日(火)14時53分
マルコム・ジョーンズ(書評担当)

 ほとんどの人にとって、事はそれほど単純ではない。私はこの記事を書くためにパソコンで調べ物をして、パソコンで原稿を書いている。記事に張られたリンクをたどって次の記事にジャンプし、多くのウェブサイトをチェックする。私は毎日この作業に、仕事時間のほとんどを費やしている。

 だが私は読書もする。時にはゆっくりと、時には中くらいのスピードで。こうした「読み分け」は、ある意味で私のバランスを保ち、やる気を維持してくれる。

 最近はパソコンから離れる「安息日」をつくろうという声も聞かれる。週に1度はパソコンや携帯電話の電源を切ろうというのだ。

機械と隣り合わせの日常

 シーリーによれば、学生も同じようなことを言っている。「学生たちは、読書を始めると携帯電話にメールが入って、返事を書かなくてはと気になり始めると言う」。また「パソコン類のスイッチを切れば、勉強の仕方をあらためて学べると言う学生もいる」という。

 もちろんコンピューターは、現代のテクノロジーにまつわる問題の1つにすぎない。私たちはどこへ行っても機械に付きまとわれている。そのどれもが「急げ」と私たちにささやき掛ける。

 こうした風潮に対して、私が知る唯一の対抗手段はスピードを落とすことだ。私の場合それは読書から始まる。文章を読むことは、私が毎日一番多くの時間を費やすことだからだ。だからこれからはもっと多くの本を、もっとゆっくり読むことにしよう。

 それによって何か大きな問題が起きるとすれば、図書館の貸し出し期限を過ぎて延滞金の額が増えるかもしれないこと。いま思い付くのはそんなところだ。

 スローリーディング、やってみようじゃないか。      

[2010年7月21日号掲載]

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