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南米ベネズエラ断交宣言の裏にどん底経済
2010年8月2日(月)15時05分
虚勢 チャベスはウリベを「狂人」と呼んだが Reuters
ベネズエラのチャベス大統領はトラブルの真っただ中にいる。7月22日、チャベスは自国のゲリラ1500人をベネズエラがかくまっていると主張したコロンビアに国交断絶を宣言。戦争をしたいためにゲリラの写真やビデオを捏造していると、8月に退任する同国のウリベ大統領を非難した。
チャベスのこうした行動の真意は国民の関心を悲惨な経済状況からそらすことにある。9月に迫った議会選挙は、チャベスの豪腕と報道規制をもってしても勝利を確実視できない状況にある。ベネズエラ中央銀行の発表ではインフレ率は32%以上。IMFによれば世界最悪の水準だ。
ベネズエラは南米最大の石油輸出国だが、スーパーではミルクなど生活必需品が不足。不景気は来年も続くとみられる。死に物狂いのチャベスが「言葉の戦争」を仕掛けたのも無理はない。
[2010年8月 4日号掲載]
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