最新記事

自然災害

アイスランド火山噴火で欧州の空が大混乱

大量の火山灰は飛行機のエンジンを停止させることも。ヨーロッパ航空網のマヒ状態はまだしばらく続きそうだ

2010年4月16日(金)16時45分
マーク・ホーゼンボール(ワシントン支局)

大事故を警戒 氷河の底から噴出する火山灰に含まれる火山ガラスが危ない Arni Saeberg-Icelandic Coast Guard-Reuters

アイスランド南部のエイヤフィヤットラヨークトル氷河にある火山が4月14日に噴火した影響で、大西洋とヨーロッパの空の交通網が大混乱に陥っている状況は今後何日も続きそうだと、米政府の航空関係者は語る。

 イギリスの航空当局は、ヒースロー空港を含む5つの主要な空港を閉鎖。アイルランド、フランス、デンマーク、スウェーデン、フィンランド、ノルウェーでも同様の対策がとられた。

 航空安全当局は、氷河の底から噴出する大量の火山灰が航空機の故障を招く恐れを警戒している。専門家によれば、過熱した溶岩と蒸気は厚さ何百メートルという氷河を通過して地表に到達するため、灰には火山ガラスの微粒が含まれる。航空機のエンジンがこの火山ガラスを吸い込めば、空中でエンジンが停止する可能性もあるという。

 ヒースロー空港は16日朝にも再開するという報道があるが、アメリカの航空安全当局者は航空網のマヒはまだ数日続く可能性があると指摘する。「風力や風向、火山の噴火が続くかどうかに左右されるだろう」

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

「北海から風力発電施設撤去しろ!」、トランプ氏が英

ワールド

焦点:ロシアのスパイになったあるウクライナ男性、そ

ビジネス

中国、公務員に10年ぶり大幅賃上げ 経済活性化策の

ビジネス

米、国内アンチモン採掘を許可 中国禁輸で調達体制構
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:ISSUES 2025
特集:ISSUES 2025
2024年12月31日/2025年1月 7日号(12/24発売)

トランプ2.0/中東&ウクライナ戦争/米経済/中国経済/AI......世界の論点とキーパーソン

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    青学大・原監督と予選落ち大学の選手たちが見せた奇跡...池井戸潤の『俺たちの箱根駅伝』を超える実話
  • 2
    ザポリージャ州の「ロシア軍司令部」にHIMARS攻撃...ミサイル直撃で建物が吹き飛ぶ瞬間映像
  • 3
    わが子の亡骸を17日間離さなかったシャチに新しい赤ちゃんが誕生
  • 4
    早稲田の卒業生はなぜ母校が「難関校」になることを…
  • 5
    ウクライナ水上ドローンが「史上初」の攻撃成功...海…
  • 6
    「妄想がすごい!」 米セレブ、「テイラー・スウィフ…
  • 7
    真の敵は中国──帝政ロシアの過ちに学ばない愚かさ
  • 8
    韓国の捜査機関、ユン大統領の拘束執行を中止 警護庁…
  • 9
    地下鉄で火をつけられた女性を、焼け死ぬまで「誰も…
  • 10
    北朝鮮を頼って韓国を怒らせたプーチンの大誤算
  • 1
    地下鉄で火をつけられた女性を、焼け死ぬまで「誰も助けず携帯で撮影した」事件がえぐり出すNYの恥部
  • 2
    真の敵は中国──帝政ロシアの過ちに学ばない愚かさ
  • 3
    JO1やINIが所属するLAPONEの崔社長「日本の音楽の強みは『個性』。そこを僕らも大切にしたい」
  • 4
    イースター島で見つかった1億6500万年前の「タイムカ…
  • 5
    カヤックの下にうごめく「謎の影」...釣り人を恐怖に…
  • 6
    「腹の底から笑った!」ママの「アダルト」なクリス…
  • 7
    「弾薬庫で火災と爆発」ロシア最大の軍事演習場を複…
  • 8
    キャサリン妃の「結婚前からの大変身」が話題に...「…
  • 9
    早稲田の卒業生はなぜ母校が「難関校」になることを…
  • 10
    スターバックスのレシートが示す現実...たった3年で…
  • 1
    大腸がんの原因になる食品とは?...がん治療に革命をもたらす可能性も【最新研究】
  • 2
    夜空を切り裂いた「爆発の閃光」...「ロシア北方艦隊」の基地で発生した大爆発を捉えた映像にSNSでは憶測も
  • 3
    インスタント食品が招く「静かな健康危機」...研究が明らかにした現実
  • 4
    ロシア兵「そそくさとシリア脱出」...ロシアのプレゼ…
  • 5
    TBS日曜劇場が描かなかった坑夫生活...東京ドーム1.3…
  • 6
    ロシア軍は戦死した北朝鮮兵の「顔を焼いている」──…
  • 7
    半年で約486万人の旅人「遊女の数は1000人」にも達し…
  • 8
    「腹の底から笑った!」ママの「アダルト」なクリス…
  • 9
    「炭水化物の制限」は健康に問題ないですか?...和田…
  • 10
    ミサイル落下、大爆発の衝撃シーン...ロシアの自走式…
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中