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司法トルコ憲法改正案を歓迎すべき理由
トルコのイスラム系与党・公正発展党(AKP)が3月30日に国会に提出した憲法改正案には、裁判所が政党を解党させる際の条件を厳しくし、軍士官も一般法廷で裁けるようにするなどの司法制度改革が盛り込まれている。
AKP関係者は「法の支配」を強化するための改革だというが、世俗派はAKPの権力に対する最後の牽制役の力を奪う試みだと警戒する。政教分離の守護者を自任し、AKPと対立してきた軍は既に、政府転覆計画の容疑で将軍たちが逮捕され弱体化している。
AKPの最大の目的が保身であることは間違いないが、トルコの司法制度に改革が必要なのも事実。検察官や裁判官は党派色が強く、隙あらばAKP議員を起訴し、国会で過半数の議席を持つAKPを解党しようとしている。今回の改正案は、政治的に公正中立な司法制度をつくる一歩になる。
[2010年4月14日号掲載]