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一人っ子政策は犯罪増加の元凶か

2010年2月26日(金)13時24分
アイザック・ストーン・フィッシュ(北京支局)

 晩婚化や売春婦の増加といった問題の一因と目されるようになった一人っ子政策。ここにきて犯罪率の増加という新たな弊害を生んでいる可能性が指摘されている。統計によると中国での殺人、強盗、性的暴行の発生率はヨーロッパの多くの国々を上回っている。

 その原因としてやり玉に挙がっているのが、男女比の不均衡だ。中国社会科学院の発表によれば、中国の新生児の男女比は女児100人に対して男児は119人。なかには、女児100人に対して男児130人という省も複数あった(これは先進国の平均を10〜20%上回る数字だ)。

 一部の専門家は、男性が多過ぎることと暴力事件の増加を関連付けている。米コロンビア大学経済学部のリーナ・エドランド准教授は09年4月に同僚と共同で発表した論文で、88年から04年の間に中国で増えた犯罪の最大6分の1は、男女比の不均衡が原因だと示唆。婚姻率の低さを批判し、未婚の男性は社会の不安定要素だと指摘している。

 一方で、男性が多いことがプラスに働くという見方もある。コロンビア大学経営大学院の調査によると、息子の結婚の条件を有利にするため、親は貯蓄に励む。こうした貯蓄の増加は社会の安定を促す可能性があるという。

[2010年3月 3日号掲載]

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