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新型インフルパンデミックはでっち上げ?
世界を襲い、WHO(世界保健機関)のパンデミック(世界的大流行)宣言にも影響を及ぼした新型インフルエンザの脅威は薬剤メーカーがあおったものだった──。専門家のそんな主張が今、ヨーロッパを中心に物議を醸している。
WHOと製薬メーカーの癒着を指摘しているのは、欧州会議保健委員会のウォルフガング・ウォダーグ委員長。呼吸器学が専門で伝染病学者でもあるウォダーグは、ワクチンを製造する薬剤メーカーがWHOや政府関係者に働きかけたことを示す「多くの情報が私の元に集まっている」と言う。
欧州会議は1月12日、WHOと製薬メーカーの癒着への調査を開始すると発表。26日から企業や国への捜査と公聴会などが行われる予定だ。
新型インフルエンザに関しては、世界全体で莫大な数のワクチンが発注され、各国がタミフルなどの薬の備蓄に走る混乱が起きた。しかし現在では多くの国が過剰発注で頭を悩ませている。
「新型インフルエンザは今世紀最大の薬剤スキャンダルの1つだ」とウォダーグは言う。「比較的軽いインフルエンザが発生しただけ。パンデミック宣言は誤りだ」
これに対してWHOは記者会見で、「世界はパンデミックの最中にあり、でっち上げと主張するのは無責任だ」と反論した。今月末には欧州会議で緊急の追加審議が行われる予定。これからさらに疑惑の渦が広がるかもしれない。
[2010年2月 3日号掲載]