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北朝鮮春休み旅行は平壌で決まり!
北朝鮮が今年アメリカ人観光客の受け入れを増やすのは、金正日政権が揺らいでいる証拠かもしれない
ドル箱 マスゲームは北朝鮮観光のハイライト(写真は08年9月の建国60周年の記念式典) KCNA-Reuters
春休みの楽しい旅行先をお探しのお母さん、お父さん、子供たち! おなじみの観光地では物足りない? それならいいところがある。平壌だ。
北朝鮮は今年、仇敵アメリカからの観光客の受け入れを増やす見込みだ。制裁による痛みが増すなか、新たな外貨の獲得を図ろうとしている。
現在のところ北朝鮮がアメリカからの団体旅行客を受け入れているのは、政治体制宣伝用のマスゲーム「アリラン祭」のときだけ。今年は8月から開催される予定だ。
しかし、北京にある高麗(コリョ)ツアーズのサイモン・コッカレルによると、北朝鮮政府はアリラン祭以外の時期も通年で観光客を受け入れる予定だという。北朝鮮を訪れるアメリカ人観光客の8割を扱う高麗ツアーズは、この決定を北朝鮮の提携先から知らされた。高麗ツアーズは昨年、280人のアメリカ人観光客を北朝鮮に送り出している。
別の見方をすれば、この決定は北朝鮮の政権が以前ほどは安定していないことを示す兆候の1つと思われる。
北朝鮮の米ドル収入をさらに減らす事件が発生した。タイ当局は先月、貨物機で北朝鮮から密輸入された大量の武器を押収した。外交筋はこの事件が金正日総書記の資金獲得に深刻なダメージを与えると見ている。
また、脱北者たちの証言によれば、昨年11月に実施されたデノミネーション(通貨単位の切り下げ)が厳しい冬の時期にさらに経済的混乱を引き起こしているという。
金総書記は今月9日、国民の生活水準を向上させる必要があると認める極めて稀な発言をした。「白米と肉の入った汁」を人民に食べさせる目標を達成できていないと自ら認めたのだ。
実際、ここ2カ月の間に北朝鮮ではデノミをめぐる抗議行動が起きており、金総書記は国民を飢えに苦しませていることを公式に認めている。
北朝鮮らしくもない。今後の展開から目が離せなくなりそうだ。
Reprinted with permission from Daniel W. Drezner's blog, 14/01/2010.
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