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イタリアベルルスコーニが男尊女卑を助長?
本音の男 失言が止まらないベルルスコーニ Reuters
エスコート嬢とのお遊びに興じたり、元トップレスモデルで美人コンテストの優勝者を内閣に登用したり、イタリアを「美人秘書」の地と表現したり。ベルルスコーニ首相のこんな言動のせいで、イタリアはこのところ男尊女卑の国だと非難されることが多い。
問題の深刻度をさらに強めたのが、世界経済フォーラムが10月27日に発表した「世界男女格差報告」。イタリアは今年、134カ国中72位と、ひどい順位だった(昨年から5位ダウン)。ほかのヨーロッパ諸国は上位にランクイン。カザフスタン(47位)やウズベキスタン(58位)もイタリアを抜いた。
とりわけ評価が低かったのが、経済的な機会の平等。イタリアの女性は労働力の43%にしか達しておらず、管理職に占める女性の割合はわずか3分の1(アメリカは43%)。男女間の賃金の格差では116位と最下位に近かった。
女性の地位向上を妨げている要因として、ベルルスコーニだけを責めることはできないだろう。だが彼の軽はずみな発言は、イタリア文化に根強く残る偏見を反映したものだとみる向きもある。
ベルルスコーニは10月にも、野党のある女性政治家に対し「あなたは知的というより美しい女性」と発言。憤慨した女性10万人が抗議文に署名する騒動に発展した。
ベルルスコーニは、偏見丸出しの言動で世界を爆笑させた映画『ボラット』を地でいっているかのようだ。ただ女性たちはニコリともしないけど。
[2009年11月11日号掲載]