ビンラディンに推薦されたわが著書
米イスラエル関係を「正常化」せよ
これに対してミアシャイマー教授と私は、ビンラディンの目標を否定し、彼の選んだ手段を唾棄すべきものだと考える。
アメリカはイスラエルの存在を守るべきだというのがわれわれの考えだし、本のなかでも繰り返しそう主張した(ビンラディンはこの部分を読み落としたのだろう)。
その一方でわれわれは、アメリカはイスラエルによるヨルダン川西岸の占領やガザ地区の支配に反対し、イスラエルを他の民主国家と同じように扱うべきだと考える。
なぜか? 占領をやめさせて、米イスラエル関係を正常化することが、アメリカにとってもイスラエルにとっても、そして中東の友好国にとっても利益になるからだ。
要するにわれわれは、アメリカに今よりも賢く倫理的な中東政策を採ってもらいたい。言うまでもなく、これとビンラディンの血に染まった目標との間には大きな隔たりがある。
われわれの本に「推薦の辞」を寄せるなんて、ビンラディンにとっては自己破壊的な行為と言えなくもない。もし多くの人々がこの本を読み、米政府がわれわれの言うような政策を推進していれば、武力闘争を呼びかけるビンラディンの声に耳を傾ける人はいなかったかもしれないからだ。
Reprinted with permission from Stephen M. Walt's blog ,17/9/2009. © 2009 by Washingtonpost.Newsweek Interactive, LLC.