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メキシコ麻薬戦争で刑務所がパンク寸前
2009年9月10日(木)14時50分
麻薬取り締まりを強化しているメキシコでは、過去3年の麻薬関連逮捕者が7万人を超えた。既に満員状態だった刑務所が大混乱に陥りそうだ。
収監されている受刑者や容疑者は今や20万人以上。獄中ではギャング団の対立が起こり、新たな犯罪ネットワークがつくり出されている。しかも暴動が今年だけで、何十回も発生している。政府は犯罪組織のメンバーのみを収容する重警備刑務所を建設中だが、完成まで最低2年は待たなくてはならない。
「いつかパンクするだろう」と米テキサス州と隣接したマタモロスにある刑務所の所長は言う。
この危機的状況に対処するため、政府は特別法廷と特別刑務所を設けて、麻薬密売人と一般犯罪人を切り離そうとしている。一方で、麻薬関連の犯罪者をできるだけアメリカに引き渡している(年間約100人に上る)。
政府が対処を急ぐ間も、刑務所は新たな犯罪の温床になっていると専門家は警告する。囚人たちがネットワークをさらに広げ、刑務所外での犯罪活動をコントロールするというのだ。
[2009年9月16日号掲載]
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