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イスラエルに「ブッシュ特使」を

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イスラエルが非協力的なのはオバマを信用していないから。愛しのブッシュなら中東和平にブレークスルーを起こせるはずだ

2009年07月30日(木)19時32分
グレゴリー・リービー(ジャーナリスト)

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 7月27日、バラク・オバマ大統領の中東特使ジョージ・ミッチェルがイスラエルを訪問し、ベンヤミン・ネタニヤフ首相らと会談した。

 今週はほかにも国防長官のロバート・ゲイツ、大統領補佐官(国家安全保障問題担当)のジェームズ・ジョーンズ、国務長官特別顧問(ペルシャ湾岸・南西アジア担当)のデニス・ロスも相次いでイスラエル入りしている。

 目的はイスラエルに全面的な圧力をかけること。アメリカ側の要求リストは膨大だ。

 アメリカはイスラエルに、パレスチナ占領地への入植を凍結し、東エルサレムでのユダヤ人用の住宅建設も中止するよう要求している。アメリカがイランと交渉する間、イスラエル政府内のタカ派が騒がないことも求めている。

 だがアメリカの使者たちは、手ぶらでワシントンに帰る可能性が高い。その原因は政策の違いだけではない。

 それ以上に大きな要因は、むしろ「場の雰囲気」。「チーム・オバマ」はまだイスラエルから全面的な信頼を勝ち得ていないのだ。

 だが、信頼を得られる人物が一人いる。今は特に仕事をしておらず、パレスチナ国家建設をストレートに論じながらも、イスラエルから賞賛と敬意を得られる人物──。

 オバマは、中東和平の結果を出せる新たな特使を必要としている。そして、その役にぴったりなのがジョージ・W・ブッシュ前大統領だ。

世界でもめずらしいブッシュ好き

 もう少し私の話を聞いてほしい。オバマは入植地拡大の中止を呼びかけ、東エルサレムの帰属についても公平を主張してイスラエルの怒りを買った。アメリカは本当にイスラエルの安全を守ってくれるのか、というイスラエル国民の不安をオバマは煽ってきたのだ。

 オバマはパレスチナ和平交渉がアメリカの中東政策の中核だと明言しているが、アメリカの指導力に身を委ねるようイスラエル国民を説得できなければ、進展はありえない。

 両国関係の歴史のなかで、ブッシュほどイスラエルから絶大な賞賛と信頼を得た大統領はいなかった(ブッシュが大統領2期目に国連で演説した際には多数のイスラエル人外交官が押し寄せ、副国連大使でさえ席がなかったという)。

 ブッシュ政権時代、イスラエルはブッシュの支持率が常に高いという世界でもめずらしい国だった。私が勤務していたイスラエル首相官邸の高官たちは、ホワイトハウスのスタッフと携帯電話で日常的に連絡を取り合い、米国務省やイスラエルの外務省を完全に出し抜いていた。

 その成果は大きかった。ブッシュ政権時代に、アリエル・シャロン首相が和平のための「痛みを伴う譲歩」(つまり占領地区からの撤退だ)を提案できたのは偶然ではない。イスラエルのガザ地区からの一方的な撤退も、信頼の厚いブッシュが相手でなければ実現しなかっただろう。
 
 オバマも彼の使者たちも、ブッシュのような信頼を勝ち得るには程遠い状態だ。ピュー・リサーチセンターの最近の調査では、イスラエルは世界で唯一、オバマの外交政策に対する国民の信頼度がブッシュ政権末期より低い国だった。オバマを「友人」とみなすユダヤ系イスラエル人が6%しかいないという最近の調査も衝撃的だ。

オバマ不信を打ち消せる適任者

 もっとも政策的には、オバマとブッシュは意外と似通っている。アメリカは、占領地へのイスラエルの入植に常に反対してきた。オバマのように入植反対を声高に叫ぶことがなかっただけだ(イスラエル人には、オバマが入植者だけを悪者扱いしているように聞こえる)。

 確かにオバマは、イランのようなイスラエルの敵に対してブッシュほど敵意をむき出しにすることはない。だがだからといって、イスラエルの安全保障を軽視しているという証拠があるわけでもない。

 要は、強調する点が違うだけだ。それでも、イランが勢力を伸ばすなか、イスラエル国民には不安が広がっている。

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