英会話で「本当に英語が身につく」は不可能。だが昔の日本には優れた外国語学習法があった
英会話でペラペラになるのはほぼ不可能(写真はイメージ) SonerCdem-iStock
<日本国内で子どもを英語ペラペラに育てるには、これまでの英語学習の常識とは「逆」のアプローチをすればいいのです。すなわち「英会話」をスタートではなく、英語学習の「ゴール」と捉える。日本国内で英語を学ぶなら「聞く、読む、書く、話す」が多いが、これを「読む、書く、聞く、話す」に変えましょう。各々の詳細は.........>
子どもに英語を身につけさせたい、英語ペラペラに育てたい、バイリンガルに育てたい!親であれば誰もが一度は夢見ることでしょう。子どもに英語力という宝を与えることができれば、受験、就職、キャリア形成など、将来の選択肢(可能性)は限りなく広がっていきます。
では子どもにどうやって英語を身につけさせるのか?
その手段として多くの親が考えるのが「英会話」です。
「英会話で生きた英語に触れさせたい」「英会話で綺麗な発音を身につけさせたい」そんな理由で英会話を検討する方は多いと思います。確かに、言語吸収力が高い子ども時代に生きた英語に触れることは効果がありそうです。
しかし、英会話に通わせて「本当に英語が身につく」のでしょうか?みなさんの周りに英会話で英語を身につけたという人はいますか?
英会話でペラペラになるのはほぼ不可能
日常的に英語を使う環境がない日本で子どもを英語ペラペラに育てるのは、途方もなくハードルが高い目標です。これを実現するにはインターナショナルスクールやイマージョンスクールに通い、毎日5〜6時間英語で授業を受け、友だちと英語でコミュニケーションを取り、英語漬けになることが必要です。
「そこまではさせたくない!」「日本の学校に通いながら、できる範囲で英語力も身につけさせたい」という大多数の方が英会話を考えるのだと思いますが、残念ながら、週に1時間、年間50時間程度の英会話では「英語ペラペラ」にはなりません。
私はアメリカで学習塾を経営し、多くの日本人の子どもたちを見てきましたが、英語ペラペラになるには、少なくとも「2年間」はアメリカの学校に通い、英語漬けになることが必要です。時間にすると毎日6時間×180日(年間の授業日数)×2年=2160時間です。英会話スクールでは「圧倒的に英語に浸る時間が少なすぎる」のです。
日本国内で子どもを英語ペラペラに育てるには、これまでの英語学習の常識とは「逆」のアプローチをすればいいのです。すなわち「英会話」をスタートではなく、英語学習の「ゴール」と捉えるのです。
「英語ペラペラ」というゴールにたどりつくためには、まず基礎技能の習得からスタートし、段階的にレベルを上げ、最終的に実践訓練を通して臨機応変な会話力を身につけるというステップを踏むことが大切です。
英語はスポーツの技能習得と同じなのです。たとえばテニスでは、ラケットの握り方を覚え、スイングの方法を覚え、サーブやボレーを覚え、ラリーを繰り返し練習することが不可欠です。基礎技能が身についていないのにいきなりテニスのトーナメントに出ても、試合を楽しめるはずがないのです。